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TSMCとイビデンが3次元実装で連携強化、先端パッケージ基板の生産性を10倍に材料技術

TSMCは同社が主導する半導体製造のオープンイノベーションの枠組みであるOIPエコシステムや、3次元実装に向けたアライアンス「TSMC 3DFabric Alliance」、3次元実装プロセスにおいてツールや材料の相互利用を可能にする標準規格「3Dblox」について説明した。

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 台湾大手半導体ファウンドリーのTSMCは2023年10月24日、東京都内で会見を開き、同社が主導する半導体製造のオープンイノベーションの枠組みであるOIP(Open Innovation Platform)エコシステムや、3次元実装に向けたアライアンス「TSMC 3DFabric Alliance」、3次元実装プロセスにおいてツールや材料の相互利用を可能にする標準規格「3Dblox」について説明した。会見には半導体パッケージ基板大手のイビデンも登壇し、OIPエコシステムや3Dbloxなどの活用によって、先端半導体に求められる半導体パッケージ基板の生産性を従来比で10倍に向上するという目標を掲げた。

TSMCのダン・コーチパッチャリン氏(左)とイビデンの河島浩二氏(右)
TSMCのダン・コーチパッチャリン氏(左)とイビデンの河島浩二氏(右)[クリックで拡大]

 会見当日は、国内初となるOIPエコシステムのイベント「TSMC 2023 Japan OIP Ecosystem Forum」が開催され、多数の国内半導体業界関係者が参加した。TSMC 設計インフラストラクチャ管理部門責任者でOIPエコシステムの管理運営を担うダン・コーチパッチャリン(Dan Kochpatcharin)氏は「TSMC創業者のモリス・チャン(氏)が2008年に提唱し発足したOIPエコシステムは、TSMCを含めて各社が個別に開発を進めていた半導体の技術を早期の段階から共有することで、半導体業界の収益性をより高めることを目指している。実際に、OIPエコシステムによって先端プロセスの開発と並行してEDA(電子回路設計自動化)ツールや半導体IPの開発や最適化を実施できるようになり、半導体製品の量産までの期間を1年以上短縮できるようになっている」と語る。

 また、2008年の発足時点でOIPエコシステムの参加企業が保有する半導体IPの数は約1500だったが、2023年までの15年間で約47倍となる7万以上に急増している。「先端プロセスの開発完了を待つことなく、EDAツールや半導体IPの開発を進められるようになった効果がこの数字に表れている。実際に、TSMCの2nmプロセスはまだ開発は完了していないが、EDAツールやArmの半導体IPなどは既に提供の準備ができている」(コーチパッチャリン氏)。

 ただし、OIPエコシステムの取り組みはあくまで半導体チップ製造にとどまるものだった。しかし、半導体の微細化の限界が見えつつあった2022年、半導体の集積度を高める2.5次元実装や3次元実装の進化に向けて、OIPエコシステムのさらなる拡張に向けて立ち上げたのが、半導体の組み立てやテストといった後工程を請け負うOSAT、メモリメーカー、半導体パッケージ基板メーカー、半導体テスターベンダーが加わるTSMC 3DFabric Allianceであり、2.5次元/3次元実装に向けツールや材料の相互利用を可能にする標準規格の3Dbloxである。

 3Dbloxは、2022年末にバージョン1.0が発表された後、2023年夏にはバージョン1.5となり、2023年末にはバージョン2.0にアップデートされる予定だ。コーチパッチャリン氏は「AMDやBroadcomが3Dbloxの恩恵を受けて、3次元実装の半導体製品の早期リリースにつなげている。また、3Dbloxはオープンな規格であり、当社の競合となるファウンドリーでも利用できるようになっている」と強調する。

 TSMC 3DFabric Allianceの立ち上げ段階から参加しているのが、半導体パッケージ基板大手のイビデンである。同社 取締役経営役員 兼 電子事業本部長の河島浩二氏は「半導体業界の技術トレンドはコロナ禍を経て大きく変わった。さらなる高性能化に向けて、2.5次元実装や3次元実装の採用が広がっており、以前は40mm角程度のサイズだった半導体パッケージ基板が、現在は100mm角以上に大型化しつつある」と説明する。

 OIPエコシステムと3Dbloxを活用することで、イビデンは3Dbloxに準拠した半導体パッケージ基板に関する技術ファイル(Substrate Tech File)を半導体メーカーに提供することになる。「これまで半導体パッケージ基板は、半導体製品ごとに個別に設計していたが、プロセスが複雑化する中で設計のやり直しを行う回数が増えていた。今後はSubstrate Tech Fileを基に、基板のフラットネスや反り、材料など、さまざまな条件の合わせ込みが容易になる。OIPエコシステムと3Dbloxを活用し、従来比で10倍という生産性の達成に向けて取り組みを進めていきたい」(河島氏)としている。

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