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一度退職した人を受け入れる企業ほど、採用活動がうまくいく傾向キャリアニュース

リクルートが「人材マネジメント調査 アルムナイ編」の結果を発表した。「アルムナイネットワークを通じた採用」を12.3%が実施しており、アルムナイ採用を実施している企業ほど採用がうまくいっている傾向が見られた。

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 リクルートは2023年9月20日、「人材マネジメント」に関するアンケート調査の「アルムナイ(カムバック採用、退職者コミュニティー)編」の結果を発表した。

 「アルムナイ(alumni)」は「学校の卒業生、同窓生」の意味だが、転じて人事領域では「企業の離職者、退職者」という意味で使われている。同調査は、担当業務に2年以上関わる全国の人事担当者を対象とし、5048人から有効回答を得た。なお、このうち従業員規模30人以上の企業に勤めている2761人を集計対象とした。

 まず、現在実施している採用手法を尋ねたところ、最も多かったのは「ハローワーク」で51.1%だった。「アルムナイネットワークからの採用」(アルムナイ採用)は12.3%となっており、現段階では一部の企業に限られていることが分かった。

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現在実施している採用手法[クリックで拡大] 出所:リクルート

 次に、アルムナイネットワーク活用とここ1〜2年の人材採用状況の関係を確認した。「人員数」という観点で見ると、アルムナイ採用をしていない企業は、「十分に採用できている」が4.3%、「ある程度採用できている」が27.3%で、31.6%が採用できていると回答した。一方、アルムナイ採用を実施している企業は、「十分に採用できている」が9.4%、「ある程度採用できている」が33.5%となり、42.9%が採用できていると回答。アルムナイ採用をしていない企業を11.3pt上回った。

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アルムナイネットワークの利用と採用状況(人員数) 出所:リクルート

 「人材レベル」という観点で見ると、アルムナイ採用をしていない企業は、「十分に採用できている」が2.9%、「ある程度採用できている」が21.7%となり、24.6%が採用できていると回答した。一方、アルムナイ採用をしている企業は、「十分に採用できている」が7.1%、「ある程度採用できている」が27.4%で、34.5%が採用できていると回答した。アルムナイ採用をしていない企業を9.9pt上回っている。

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アルムナイネットワークの利用と採用状況(人材レベル)[クリックで拡大] 出所:リクルート

 「人員数」「人材レベル」のどちらの観点でも、アルムナイ採用を実施している企業の方が採用がうまくいっている。この要因として、リクルートHR横断リサーチ推進部 マネジャーの津田郁氏は、「元社員を採用するため、商流や社風を理解しておりマッチ度が高くなりやすい」「(別環境で経験を積んだ)元社員は新たなスキルや視点を獲得しており、担える仕事の幅が広がっているケースが多い」などを挙げている。

 次に、退職した従業員の再雇用、いわゆる「出戻り社員」を受け入れているかを尋ねたところ、55.5%が「受け入れている」と回答した。アルムナイ採用を明確には採用手法と認識していないものの、実質的には半数以上の企業がアルムナイ採用を実施していると言えそうだ。

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退職した従業員の受け入れを実施しているか 出所:リクルート

アルムナイネットワークの構築は従業員エンゲージメントの高さにも関連

 「アルムナイネットワークの構築に取り組んでいるか」という質問に対しては、約3社に1社となる31.0%が「取り組んでいる」と回答した。また、アルムナイネットワークの構築に取り組んでいない企業に「アルムナイネットワークの構築に取り組む予定があるか」と尋ねたところ、11.2%が「(予定が)ある」と回答した。

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アルムナイネットワークの構築に取り組んでいるか、取り組む予定があるか[クリックで拡大] 出所:リクルート

 さらに、アルムナイネットワークの構築と採用状況の関係も確認した。「人員数」という観点で見ると、「(十分に、ある程度)採用できている」の回答は、アルムナイネットワーク構築に取り組んでいない企業は30.4%、取り組んでいる企業は43.0%だった。

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アルムナイネットワークの構築と採用状況(人員数)[クリックで拡大] 出所:リクルート

 「人材レベル」という観点では、「(十分に、ある程度)採用できている」の回答が、アルムナイネットワーク構築に取り組んでいない企業は21.8%、取り組んでいる企業は36.6%となった。

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アルムナイネットワークの構築と採用状況(人材レベル)[クリックで拡大] 出所:リクルート

 続いて、職務や組織に対する意識の指標である「従業員エンゲージメント」と、アルムナイネットワーク構築取り組みの関係を調べた。アルムナイネットワークの構築に取り組んでいる企業は、取り組んでいない企業と比べて、従業員エンゲージメントが高い傾向にあることが分かった。

 例えば、「従業員は担当している職務と強く関わり合っていると感じる」という項目に対して「あてはまる(非常にあてはまるを含む)」と回答した割合は、取り組んでいる企業が53.9%、取り組んでいない企業は44.2%だった。他の項目でも、同様の傾向が見られた。

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従業員エンゲージメント項目とアルムナイネットワーク構築取り組みの関係[クリックで拡大] 出所:リクルート

 グローバル展開有無別に見たアルムナイネットワークの構築状況は、アルムナイネットワークの構築に「取り組んでいる」の回答割合が、「主に日本国内で展開している」企業は27.6%だったが、「日本に加えて、グローバルでも展開している」企業は43.5%に達している。

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グローバル展開有無別のアルムナイネットワークの構築状況[クリックで拡大] 出所:リクルート

 企業の設立年数別のアルムナイネットワークの構築状況も調べた。アルムナイネットワークの構築に「取り組んでいる」と答えた割合は、「5年以内」が42.6%、「20年超」の企業は28.6%と14.0ptの差が開いた。

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設立年別のアルムナイネットワークの構築状況[クリックで拡大] 出所:リクルート

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