スタック型メタサーフェス電波吸収体を用いた電磁ノイズの可視化システム:組み込み開発ニュース
パナソニック コネクトは、幅広い周波数の電磁ノイズを吸収できる、電磁ノイズ可視化システムを開発した。スタック型メタサーフェス電波吸収体を用いたセンサーを搭載している。
パナソニック コネクトは2023年9月14日、幅広い周波数の電磁ノイズを吸収できる、電磁ノイズ可視化システムを発表した。金沢大学との共同研究で開発したもので、スタック型メタサーフェス電波吸収体を用いたセンサーを搭載している。
パナソニック コネクトが商品開発で培った電磁界シミュレーション技術と、金沢大学が開発した、電波吸収体に吸収される電波強度から電波の2次元分布を計測する技術を活用。プリント基板上に、波長よりも小さい金属パッチの周期構造を2次元平面上にメタサーフェスとして形成した。
このプリント基板を上下2段にスタックすることで、2つの共振器を適切に結合させるスタック型メタサーフェス電波吸収体を開発した。これにより、300M〜1.4GHzの周波数の電磁ノイズを吸収できる、電磁ノイズ可視化システムを構築できた。
同システムは、A4サイズのメタサーフェスとリアルタイムスペクトラムアナライザー、PCで構成され、重量は3kgと可搬性に優れる。セットアップと測定にかかる時間は、1つの電磁ノイズ条件の可視化に対して約5分。センサーで取得した電磁ノイズをRFスイッチで高速に切り替えるため、バーストノイズも取りこぼさず、1秒以下でリアルタイムに可視化できる。
製品開発の他、工場設備の電磁ノイズによるトラブル、パワエレ設備、車載機器、医療機器などで発生する電磁ノイズの分析が容易となる。同社は今後、ユーザーの効率的なEMC対策に向け、システムの性能向上を図るとしている。
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