半導体後工程の生産性向上、パナソニックがプラズマクリーナーの汚れをスコア化：FAニュース

パナソニック コネクトは同社のプラズマクリーナー「PSX307」の設備状態をスコア化し、最適時期でのメンテナンスを支援するアプリケーション「PSX307-HSA」の開発を発表、同社のプライベート展示会「Factory Solution Conference 2023」において受注を開始した。

[長沢正博，MONOist]

　パナソニック コネクトは2023年2月16日、半導体製造後工程で金属接合性や樹脂密着性を高める同社のプラズマクリーナー「PSX307」の設備状態をスコア化し、最適時期でのメンテナンスを支援するアプリケーション「PSX307-HSA」の開発を発表。同年2月15〜17日にかけて大阪府大阪市のATCホールで開催した同社のプライベート展示会「Factory Solution Conference 2023」において受注を開始した。

「Factory Solution Conference 2023」での「PSX307-HSA」の紹介ブース［クリックで拡大］

　プラズマクリーナーは基板のパッケージング工程やウエハ製造工程において、基板やウエハの表面に付いた汚れを除去したり、表面を改質することでモールド樹脂の密着性を高めたりするのに用いる装置だ。

　多くの半導体製造現場では、これまでプラズマクリーナーのメンテナンスは、一定の期間ごとに熟練技能者が点検や部品交換を行ってきた。ただ、それではまだ使用可能な状態の部品を交換することになったり、動作が不安定になるまで設備の確認が遅れたりするなどの課題があった。

　これらを解決するため、PSX307-HSAではパナソニック コネクトと日本IBMが共同でプラズマクリーナーの汚れのモデル化に取り組み、製品化した。

　プラズマクリーナーから送られてきた電圧や真空道など各種センサーのデータを分析することで、チャンバー内の汚れの状態をスコア化する。プラズマクリーナーの状態別に色で表すことができ、かなり汚れていてすぐメンテナンスが必要なら赤色、汚れてきているためメンテナンスの準備が必要なら黄色、まだメンテナンスの必要はないなら緑色で表示する。

　赤色に表示されたプラズマクリーナーのメンテナンスが必要な部位も特定でき、その部位だけを清掃もしくは交換すれば、表示は緑色に変わる。過去30日間のデータを時系列で見ることができるため、推移を見て適切なメンテナンス時期も把握できる。

　PSX307-HSAが導入されたPC（Windows 10以降対応）に接続するだけで使用でき、新たなセンサーの設置などは必要ない。最大100台まで状態を確認することができ、計画的な運用を支援する。

9台のプラズマクリーナーの状態を赤色、黄色、緑色で表したデモ画面［クリックで拡大］

上段はプラズマクリーナーのスコア、下段は装置内の7つの部位のそれぞれ30日間のスコア推移［クリックで拡大］

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