再エネ100%化計画を20年前倒し、富士通が2040年度にスコープ3のネットゼロ宣言:脱炭素
富士通は2023年8月28日、同社グループのバリューチェーン全体での温室効果ガス(GHG)排出量について、2040年度までにネットゼロを目指す計画を発表した。目標達成に必要となる再生可能エネルギーは、2030年度までに100%導入を目指す。
富士通は2023年8月28日、同社グループのバリューチェーン全体での温室効果ガス(GHG)排出量について、2040年度までにネットゼロを目指す計画を発表した。目標達成に必要となる再生可能エネルギーは、2030年度までに100%導入を目指す。
これまで富士通は、GHGプロトコルでスコープ1、2に該当する事業活動におけるGHG排出量について、2030年度までに2013年度比で33%(2℃水準)削減という目標から同71.4%(1.5℃水準)削減に引き上げるとともに、2050年度までにスコープ1、2においてカーボンニュートラルを達成すること(100%削減)を目標としてきた。
これに対して今回の計画ではGHG排出量の100%削減の時期を2050年度から前倒しして、2030年度に設定し直した。加えて、富士通グループのサプライチェーンを含むバリューチェーン全体、いわゆるスコープ3のGHG排出量については、2040年度までにネットゼロを達成することを目標として掲げる。2040年度までにスコープ3のGHG排出量を基準年度比で90%以上削減し、残存排出量を大気中のCO2を直接回収する技術(DAC)の活用や、植林による吸収などで除去することを目指す。
2040年度までのネットゼロ化計画は、GHG排出量削減のための国際イニシアチブであるSBTi(Science Based Targets Initiative)から「ネットゼロ認定」を取得している。
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