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三菱電機が酸化ガリウムパワー半導体開発に向けウエハー会社に出資:材料技術
三菱電機は、酸化ガリウムウエハーを開発、製造販売するノベルクリスタルテクノロジーに出資した。省エネ性能に優れた酸化ガリウムパワー半導体の開発を加速することで、脱炭素化の促進に貢献する。
三菱電機は2023年7月28日、酸化ガリウムウエハーを開発、製造販売するノベルクリスタルテクノロジーに出資したと発表した。高い省エネ性能を持つパワー半導体向けの次世代ウエハーとして注目される、酸化ガリウムウエハーを保有する同社に出資することで、脱炭素化の促進に貢献する。
ノベルクリスタルテクノロジーは、世界でも先行してパワー半導体向け酸化ガリウムウエハーの開発、製造販売を始めたリーディングカンパニー。近年、パワー半導体のウエハーとして、炭化ケイ素や窒化ガリウムの開発が進みつつあるが、酸化ガリウムウエハーは、より高耐電圧かつ低電力損失の性能を持つパワー半導体の開発に向けた次世代ウエハーとして期待されている。
三菱電機は、脱炭素化の促進に向け、ケイ素や炭化ケイ素を採用したパワー半導体製品を販売してきた。同社が長年手掛けてきた低電力損失かつ高信頼性のパワー半導体の製品設計や製造技術と、ノベルクリスタルテクノロジーが保有する酸化ガリウムウエハーの製造技術を掛け合わせることで、高い省エネ性能を持つ酸化ガリウムパワー半導体の研究開発に弾みをつける。
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