検索
インタビュー

5Gの産業利用の現在地、活用を進めるために必要な考え方とはFAインタビュー(3/3 ページ)

産業用途で5Gの活用はどのように進んでいるのだろうか。産業用ネットワーク機器をグローバルで展開する台湾Moxaの無線ビジネス/R&D部門統括で、産業用5Gの普及を推進する5G-ACIAのボードメンバーであるDavid Chen(デビッド・チェン)氏に現状と今後の展望について聞いた。

Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

日本でも「産業用」5Gゲートウェイを展開

MONOist 5Gの普及推進のためにMoxaとしてはどのような取り組みを進めていますか。

チェン氏 Moxaは産業用ネットワーク関連機器の専門企業でグローバルでさまざまなネットワーク製品を展開している。その中で、5G関連機器もさまざまな製品を用意し、先述したような台湾半導体メーカーの工場での5G活用を含め、グローバルでさまざまな産業での5G活用の普及促進に取り組んでいる。一般的なネットワーク機器を扱うメーカーに対し、Moxaはもともと「産業用」に特化した製品を展開していることが特徴で、業界固有のニーズや要望に合わせた製品を提供できることが特徴だ。

 5Gに関しても産業用グレードの製品はまだ限られているが、いち早く製品ラインアップを用意している。日本でも産業用5Gゲートウェイ「CCG-1500シリーズ」などを展開予定だ。これらを製品などに組み込むことで、5G対応機器の開発などを容易に行える。これらの産業ニーズに応える製品ラインアップを強化していくとともに、ユーザー企業と一緒にそれぞれの産業での5Gの効果的な活用方法などを開拓していく。

photo
Moxaの産業用5Gゲートウェイ[クリックで拡大] 出所:Moxa

日本企業の5Gへの取り組みは「慎重だ」

MONOist グローバルで5Gの普及に取り組む中で、日本企業の取り組みについてどう見ていますか。

チェン氏 グローバルで5Gの普及促進に向けたさまざまな取り組みを行っていて感じるのは、日本企業は少し慎重で保守的であるということだ。相対的に見てリスクを恐れる傾向が強いというのは感じている。5Gは新しい技術であるためにどうしてもリスクは残る。そのリスクを全てつぶすのは難しく、そのためなかなか具体的な動きにつながらない。一方で、欧米企業はリスクよりも他社に先んじることを優先する傾向があり「とにかくやってみよう」という企業が多いように感じる。

 ただ、これはそれぞれ一長一短があるものだ。日本企業は事前のチェック項目などは多くて進めるまでには苦労があるが、これらをクリアして実装が進むと一気に進む。欧米企業では、取り組み始めるまでのハードルは低いが、広がらないケースも多く、また簡単に置き換えが起こる。それぞれの良さはあると思うが、5Gのような新しい技術を扱う場合は少しリスクを取るという判断があってもよいと考えている。

≫「FAインタビュー」のバックナンバー

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る