2023年の学生フォーミュラは国際大会として再出発、EVでの参戦拡大:学生フォーミュラ
自動車技術会は「第21回学生フォーミュラ日本大会2023ーものづくり・デザインコンペティションー」の開催概要を発表した。
自動車技術会は2023年7月20日、「第21回学生フォーミュラ日本大会2023ーものづくり・デザインコンペティションー」(主催:自動車技術会)の開催概要を発表した。コロナ禍で2021〜2022年は国内のみのエントリーだったが、今回は国内から70校、海外からは6カ国20校が参加し、国際大会としての再出発を図る。EV(電気自動車)でのエントリーは33%に上り、EVチームの活躍にも注目だとしている。
2023年の学生フォーミュラは、オンラインでの静的審査を2023年8月21〜25日に実施する(EVチームの増加を踏まえて1日増やす)。車検や動的審査は同年8月28日〜9月2日に行う。会場は小笠山総合運動公園 エコパ(静岡県袋井市)。来場制限は行わず、一般来場者も観戦できる。運営に当たって、企業200社が協賛する。
学生フォーミュラは、自動車技術や自動車産業の発展/振興に資する人材の育成につなげる趣旨で開催されてきた。参加する学生は車両開発のベンチャー企業を想定した立場で構想から設計、製作まで行った車両によってモノづくりの総合力を競う。
販売戦略やコスト管理、開発、走行性能を総合的に審査される。2022年は69校がエントリーし、20kmのエンデュランス完走まで達成できたのは23校だった。動くクルマが完成したことを届け出るシェイクダウン証明や車検の各段階を通過できないチームもある。
評価は合計1000点で行い、1kmの複合コースを20周走行するエンデュランス(275点)とエンデュランスでのエネルギー消費(100点)、800mのコースでタイムを競うオートクロス(125点)、8の字コースでコーナリング性能を見るスキッドパッド(75点)、加速性能を評価するアクセラレーション(100点)、採用した技術や工夫、市場性などを評価するデザイン審査(150点)、車両設計のポイントを審査員に伝えるプレゼンテーション(75点)、予算とコストの管理(100点)といった項目がある。
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