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たった1年で、大きく変わる学生たちとクルマ車・バイク大好きものづくりコンサルタントが見た学生フォーミュラ2019(1/4 ページ)

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 2019年の学生フォーミュラレポート第2回は、毎回ピンクのチームカラーで出場している日本工業大学のピットレポートからスタートです。

#16 日本工業大学(Formula Friends of N.I.T.)


日本工業大学Formula Friends of N.I.T.の皆さん(クリックして拡大)

 チームリーダーの戸松拓海さん(以下T)にお話を伺いました。

関(以下S) ボードが目を引きますね! 全種目完遂、完走、コスト1位、プレゼン3位……この静的審査の成績すごいですね!

T はい、今年(2019年)は静的審査もかなり力を入れました。

S コスト審査ってあのレポート2000ページ以上になるやつですよね?

T 今年は2300ページになりました。昨年(2018年)は2400ページあって、既定のバインダーにとじるのにぎりぎりだったんです。今年はできる限りページ数を絞りました。

S ありゃ、そんな規定もあるんだ。プレゼン1位も素晴らしいですね。

T 昨年、一昨年(2017年)と4位続きで、なんとか1位になりたかったのでうれしいです。

S 2年連続4位と言うことはもともとプレゼン能力高いんだよね? そこはなぜ?

T ちゃんと市場調査して、しっかり補足資料も作っています。あと、車両(動的審査)のことだけではなく静的審査もしっかりやろうという方針を先輩から受け継いで、少しずつ積み重ねてきた結果かなと思っています。

S プレゼンテーションの練習って相当やるの?

T プレゼンターは四六時中、例えば部室内を歩いている時でもぶつぶつ喋っていますね。とにかく時間があれば原稿を読む、スライド担当はできるだけ分かりやすいものにする。コンビネーションも大事です。

S 自分も人前でしゃべる仕事が多いのだけど、緊張MAXだよね。時間制限は何分なの?

プレゼンのスライド担当者さん 10分です。練習は数えきれないほどやりました。

S あ、それ、難易度高いよ! 自分は人前で話すことを仕事にしているけど、10〜15分が1番嫌だもん。60分とかならアドリブでいくらでも調整できるけど、10分はまさに真剣勝負の世界だよね。動的審査についてですが、今年のマシンの特徴は?

T シンプルに素直に設計して、軽量なマシンを目指しています。フレームは鋼管パイプで、できるだけメンバーを少なく、あと底面のフラット化と低重心化を狙って設計しています。カウルはカーボン製で重量2kg、エンジンはCB500Fです。


ピンクに塗られた美しい鋼管トラスフレーム(クリックして拡大)

S 2気筒エンジンだね。単気筒は軽くていいけど再始動性でみんな苦労している、このコースには2気筒が向いているって自分は前から言っているんだ。

T はい、そう思って2気筒エンジンを採用しています。もっと低重心化するためにオイルパンの形状もいじりたいのですが、まだそこには至っていません。


日本工業大学恒例のバックプリント(クリックして拡大)

S 一昨年のリーダー、蓼沼さんは今回応援に来てくれた?

T 大会には都合が合わず来られませんでしたが、遠征前にしっかり活を入れに来てくださいました。

S 今年はゼッケンを軽く出来そうかな?

T 実は私のミスでデザイン審査の開始時間を間違えて遅れてしまい、減点を受けたのと、エンジンの燃調が少しうまくいかなくて、思ったより動的審査のタイムが伸びなかったので微妙なところです。

S ありがとうございました。今年のTシャツの文字は? 「誰でもできることを、誰もできないくらいやれ」かぁ。イイですね! これ、毎年楽しみなんです(笑)


 日本工業大学はやはり動的審査の伸び悩みにより、総合21位と昨年より少しだけ順位を下げました。静的審査のパフォーマンスをキープし、マシンの性能を向上させれば必ずシングルゼッケンをつける実力があるチームです。来年の活躍が楽しみです。

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