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出身者と現役が語る「学生フォーミュラで培われる“現場力”」学生フォーミュラ2019(1/4 ページ)

学生がクルマ作りの総合力を競う「学生フォーミュラ」。クルマ作りの過程での厳しい経験を踏まえた人材は、社会人でも活躍するという声が多い。学生フォーミュラではどんな“現場力”が身に付くのだろうか?

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 「学生フォーミュラ出身者は社会人でも活躍する」――。

 MONOist編集部が学生フォーミュラを取材し始めたのが2007年の第5回大会から(「学生フォーミュラ」まとめページ参照)。それから13年間、エコパ(開催会場)へ行くたびに耳にするのが冒頭の言葉だ。

 学生によるモノづくり競技会「全日本学生フォーミュラ大会」(以下、学生フォーミュラ)が今年も静岡県袋井市の小笠原総合運動公園(エコパ)で開催された(大会の速報はこちらの記事を参照)。会場には参加校の学生や教職員とともに、かつて出場したOB/OGも多数訪れて学生フォーミュラのサポートや応援を行っている。

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学生フォーミュラからモノづくりの名だたる企業へ

 近畿大学出身で現在は技術系エンジニア人材サービスのVSNに勤める出口清崇氏は、2007年の1回生から学生フォーミュラに参加、4回生の研究テーマも「学生フォーミュラでのリアサスペンションの設計手法」という筋金入りのOBだ。

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近畿大学 学生フォーミュラ出身、現在はVSNに勤める出口清崇氏

 「チームではずっとフレーム設計をやっていたが、4回生の研究では足回り系(サスペンション)をテーマにした。新型リアサスペンションの設計手法の開発を車両運動CAE解析を活用して行うもので、サスペンションの動き方を解析データと実際のデータとの整合性を確かめる研究を通じて学生のころから3DCADやCAEといったデジタルツールを駆使していた」(出口氏)

 2009年に新卒でVSNに入社後、派遣された企業は大手機械・自動車部品メーカーだった。ここで出口氏はベアリングの生産技術を担当。「ベアリングの生産技術部門では自分で図面を引くということはなかったが、設計部門が作った図面を見ることはあったので、学生時代に3DCAD扱っていた経験が生かされ、3Dデータの扱いにも臆するところはなかった。学生フォーミュラでの現場経験が社会人ですぐに生かせたと実感できた」(出口氏)。

 次に派遣されたのは大手化学品メーカーで、ここではエアバッグのインフレ―ターの設計を担当した。そして2018年3月から大手電機メーカーに派遣、現在は冷蔵庫用のモーターを設計しているという。

 「学生フォーミュラで培われたものの一番は『忍耐力』。人数も限られた中で1年に1台のクルマを作るというのは、とても大変だった。深夜を過ぎ(本当はダメなのだが)大学に泊まって朝まで作業していたこともあった。いついつまでに事前提出資料を用意しないといけないという“納期への厳しさ”が学生フォーミュラには多かった。この“納期を守る”という考えは社会人になったら当たり前になるのだが、それを学生時代に意識できたことは大きかった」(出口氏)

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