なぜか工場向けばかりで導入が進む訪問者受付管理システム、その理由は?:日本ものづくりワールド 2023
東芝デジタルエンジニアリングは、「日本ものづくりワールド 2023」に出展し「なぜか工場向けでの導入ばかりが進む」とした訪問者受付管理システム「TQSPassport Reception」などを紹介した。
東芝デジタルエンジニアリングは、「日本ものづくりワールド 2023」(2023年6月21〜23日、東京ビッグサイト)内の「第6回 ものづくりAI/IoT展」に出展し「なぜか工場向けでの導入ばかりが進む」とした訪問者受付管理システム「TQSPassport Reception」などを紹介した。
東芝デジタルエンジニアリングは2021年に東芝グループのソフトウェア開発を展開する3社を統合して設立された会社で、インフラサービス向けのデジタルエンジニアリングを展開している。その中で以前から取り組んでいたQRコードなどの読み取りシステムなどの技術を組み合わせて開発したのがTQSPassport Receptionである。
TQSPassport Receptionは、来訪者の自動受付システムで、アポイント調整後、来訪予定登録が行われれば、自動でQRコード付きの招待メールを送り、そのQRコードを受付端末のQRコードリーダーに読み込ませることで、自動で来訪受付が行われるというシステムだ。受付業務の簡素化や訪問者管理の負荷削減が行えることが利点だ。同システムは基本的には「受付」作業を行う全ての企業で使用できるものだが「なぜか工場での導入が多い」(担当者)。
その理由はカスタマイズ性だ。「一般企業向けではSaaS(Software as a Service)型の来訪者管理システムなどの導入が進んでいるが、SaaS型では固定化された機能となる。工場向けは作るモノや対象業種、業務内容などによって制約条件がさまざまで、受付業務の内容も変わってくる。東芝デジタルエンジニアリングがもともとシステムインテグレーションに取り組んできていたこともあり、TQSPassport Receptionはさまざまなカスタマイズが行えることが特徴で、その点で制約条件の厳しい工場向けで評価を受けている」(担当者)。実際にキオクシア岩手(岩手県北上市)やクボタ筑波工場などさまざまな工場で導入されている。
キオクシア岩手やクボタ筑波工場(茨城県つくばみらい市)など多くの工場に導入されている。工場によって入場に際して持ち込めるものや必要となる資格などさまざまな条件が変わってくる。こうしたカスタマイズを設定できることが特徴だ[クリックで拡大]
日本ものづくりワールドでもこうした厳しい工場の条件に合わせたカスタマイズ性などをアピールした。「地方でも人手不足が深刻化する中、工場でも受付業務の効率化を進めたいというニーズは高まっている。また、システム化を進める上で固定化されたシステムを導入し、うまくいかなかった例などもよく聞く。通常業務の要件を変えることなく来訪者管理を効率化できる点を訴えていく」(担当者)としていた。
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