157kmの区間で伝送総損失が36dBの光ファイバーケーブルが広域データセンターで採用:材料技術
住友電気工業は、純石英コア低損失大口径ファイバー「PureAdvance-110」を使用して伝送損失を改善した陸上用光ファイバーケーブルが広域データセンター間伝送路に採用され、その納入を完了したと発表した。
住友電気工業(住友電工)は2023年7月5日、純石英コア低損失大口径ファイバー「PureAdvance-110」を使用して伝送損失を改善した陸上用光ファイバーケーブルが広域データセンター間伝送路に採用され、その納入を完了したと発表した。
PureAdvance-110を用いた陸上用光ファイバーケーブルは、東京都/神奈川県/千葉県のデータセンター集積地を結ぶ広域データセンタ間伝送路に採用された。同ケーブルの優れた低損失性により、敷設後の長さ157kmの区間での総損失で36dB(接続およびコネクターの損失を含む)を実現している。これにより、データセンター間の大容量通信と中継器の台数削減が可能となり、システムコストを低く抑えた信頼性が高い伝送路を構築できる。
同社は、低損失大口径純シリカコアファイバーのPureAdvance-110およびそれを使用した光ファイバーケーブルを基幹伝送路向けに2017年から商用で供給してきた。同ファイバーケーブルは、光ファイバーの規格「ITU-T G.654.E 勧告」に準拠するともに、その低損失や大口径の特徴から、長距離/大容量の光信号伝送に適している。
また、従来よりさらなる光ファイバー低伝送損失を実現する超低損失純シリカコアファイバー技術を適用し、PureAdvance-110を利用した陸上用光ファイバーケーブルの伝送損失を1km当たり0.17dBから1km当たり0.16dB(波長1550mmでの典型値)以下に改善し、陸上用ケーブルとして世界で最も低い伝送損失を実現したという(同社調べ)。
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