キヤノンが「MREAL」を活用した視覚と触覚によるMRデザイン検証を提案:日本ものづくりワールド 2023
キヤノンおよびキヤノンITソリューションズは「日本ものづくりワールド 2023」に出展し、MRシステム「MREAL」を活用した製造業向け最新ソリューションの紹介や体験デモを実施した。
キヤノンおよびキヤノンITソリューションズは「日本ものづくりワールド 2023」(2023年6月21〜23日、東京ビッグサイト)内の「第35回 設計・製造ソリューション展(DMS)」に出展し、MR(Mixed Reality:複合現実)システム「MREAL」を活用した製造業向け最新ソリューションの紹介や体験デモを実施していた。
日本ものづくりワールド 2023 ブースレポート[メカ設計編]:
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MREALとは、「MREAL Display」と呼ばれるヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)に内蔵されたCMOSセンサーで取得した現実世界の映像と3D CG映像をリアルタイムに合成し、HMDに表示するビデオシースルー方式を採用したMRシステムだ。
実際にMREALを利用するには、MREAL Displayの他、PCと専用ソフトウェアが必要となる。専用ソフトウェアにはMR環境を構築するためのミドルウェア「MREAL Platform」の他、現実空間に3D CGを表示するためのMREAL対応アプリケーションソフトウェア「MREAL Visualizer」などが用意されている。また、合成する仮想空間の位置合わせに関しては、マーカーや光学式センサーなどによる方式の他、空間特徴位置合わせ技術によるマーカー/センサーレス方式が用意されており、目的や用途によって選択できる(複数方式を組み合わせて利用することも可能)。
展示ブースでは、MREAL Displayの中で広視野角が特長の最新モデル「MREAL X1」を用いて、「MRデザイン検証デモ」「作業性、安全性検証デモ」「設備配置シミュレーションデモ」の3つのデモを体験することができた。MREAL X1は小型/軽量設計により、サイズ約158×86×38mm、重量約158g(いずれもディスプレイ部のみ)を実現し、長時間の作業でも快適に利用できる。また、手持ちスタイルで利用できるようにハンドヘルドユニットも用意されており、今回の体験デモでも用いられていた。
MRデザイン検証デモでは、自動車の3D CGを実寸大に表示してさまざまな角度からデザインを確認、検証したり、運転席に座った際の視界やインストルメントパネル(以下、インパネ)の操作感、操作した際の動き(室内灯のON/OFF、ドアやボンネットの開閉など)を確認したりすることができた。
「実空間と3D CGを合成できるMRであれば、運転席(現実世界ではイス)に座った状態で視界を確認したり、インパネ(現実世界ではタッチパネルの実機)に直接触れて操作したりなど、実機やモックアップと3D CGを組み合わせたよりリアルな操作感や触覚の検証が行える。キヤノンが誇る光学技術や画像処理技術をベースに高画質と実寸感覚を追求したMREALであれば、仮想空間上で正確かつ精度の高いデザイン検証が可能となる」(説明員)
その他、作業性、安全性検証デモでは、MREAL Visualizerを用いて生産設備の3D CADデータを現実世界に投影し、設備の作業性や安全性を確認したり、工具のモックアップを用いて作業動作の検証を行ったりすることができた。設備配置シミュレーションデモでは、点群データと導入予定の新規設備データ(3D CADデータ)を組み合わせた工場内での設備配置シミュレーションの様子を紹介していた。
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