ジョッキ飲みできる缶オープナーなど、デザインを中核としたモノづくりを発信:日本ものづくりワールド 2023
346は「日本ものづくりワールド 2023」内の「MiraiTech 新価値創造展 in 機械要素技術展2023」に出展し、手軽に缶ビールの“ジョッキ飲み”を楽しめる缶オープナーなど、同社がこれまで手掛けてきた製品開発事例の一部を紹介した。
346(サンヨンロク)は「日本ものづくりワールド 2023」(2023年6月21〜23日、東京ビッグサイト)内の「第28回 機械要素技術展(M-Tech)」中小機構ゾーンの「MiraiTech 新価値創造展 in 機械要素技術展2023」に出展し、同社がこれまで手掛けてきた製品開発事例の一部を紹介した。
同社は、デザインを中核としたモノづくりでテクノロジーの民主化を目指す2017年創業の開発/製造総合支援企業だ。クライアントの製品開発を支援する開発パートナー事業を展開しており、コンサルティングから受託開発、試作/量産製造などをサポートし、製造業におけるデザイン活用を推進する。また、デザインをコアとする総合的な製品開発力を生かした自社製品の開発なども手掛けている。
展示ブースでは、開発パートナー事業の事例として、家庭で本格的なクラフトビールが楽しめるDREAMBEERの会員制ビール配送サービス向け専用ビールサーバ(2021年度グッドデザイン賞受賞)や、S'UIMINの睡眠計測サービス「InSomnograf」用の脳波計、Ghoonutsの脳刺激デバイス「NEUROnnect」などを紹介していた。
さらに、企画から設計、製造、販売までのプロセスを自社で一貫して取り組み、デザインを中核としたモノづくりを体現した自社プロダクトの事例として、ビール専用缶オープナー「DAVI Can Opener」を展示。DAVI Can Openerは一般的な缶ビールの上部(フタ)をカットして、手軽に缶ビールの“ジョッキ飲み”を楽しめる製品だ。
使い方は非常にシンプルで、DAVI Can Openerを缶ビールにセットして回すだけで、簡単に缶の上部(フタ)をカットできる。特殊なカット方法により、安全で滑らかな切り口を実現し、指や口などを傷つけることはないという。また、衛生面も配慮し、切ったフタが飲み物の中に落ちないようになっている。
346 創業者/共同代表の菅野秀氏は「DREAMBEERをはじめとするビール業界とのつながりや実績もあったため、ビール関連のプロダクトであればシナジーを発揮できると考えた。缶ビールのフタを切ってジョッキ飲みできる缶オープナーは海外製品を中心に既に存在していたが、使い勝手の面で課題があると感じ、『これは改善できる!』と考えて着手に至った」と開発の経緯を説明する。
DAVI Can Openerはクラウドファンディング「CAMPFIRE」や「machi-ya」で支援者を募り、目標金額を大幅に超えてプロジェクトを達成。現在、公式Webサイト上でも予約販売を受け付けている。
展示ブースでは、デザイン検討で用いられたモックアップも多数展示されていた。「当初はコンパクトかつ必要最低限の形状で、握りやすいデザインなどを追求し、勾玉(まがたま)のような形状なども検討した。最終的には、シンプルで基本的な形状を生かしてデザインに落とし込む、当社の得意とするスタイルを突き詰めていった。最初に考えたデザインよりも完成品の方がデザインが良くなるケースがあるが、この製品はそれが顕著に表れている」と菅野氏は語る。
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