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世界初、設備の異常検知AIを搭載したワイヤレスメッシュセンサーモジュールを開発日本ものづくりワールド 2023

TDKは、設備の異常を検知するエッジAIを搭載したワイヤレスメッシュセンサーモジュール「i3 Micro Module」の開発を進めている。エッジAIを搭載したワイヤレスメッシュセンサーモジュールの開発は世界初だという。

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 TDKは「日本ものづくりワールド 2023」(2023年6月21〜23日、東京ビッグサイト)内の「第6回 ものづくりAI/IoT展(AIoTex)」に出展し、エッジAI(人工知能)を搭載したワイヤレスメッシュセンサーモジュール「i3 Micro Module」と専用のコントローラー「Network Controller」を披露した。エッジAIを搭載したワイヤレスメッシュセンサーモジュールの開発は世界初(同社)だという。両製品は現在開発中で、2023年内の販売開始を予定している。【訂正あり】


「i3 Micro Module」のデモ機[クリックで拡大]

「Network Controller」のデモ機[クリックで拡大]

 i3 Micro Moduleは、産業グレードの加速度センサーを搭載し、対象設備への取り付けが容易な小型形状で、モーターを備えた設備(ロボットアームなど)に取り付けることで、異常な振動を検出し、Network Controllerを装着したPCの専用アプリケーション「CbM Studio」に通知する。これにより、CbM Studio上で異常がある設備を確かめられるため、設備のメンテナンス時期や点検を行わなければならない設備を判断できる。


専用アプリケーション「CbM Studio」のデモ画面[クリックで拡大] 出所:TDK

 TDKのブース担当者は「これまで、モーターを備えた設備のメンテナンスは、定期点検や従業員のノウハウに基づきメンテナンスを行わなければならない設備が決められていた。しかし、これらの方法では適切なタイミングで設備のメンテナンスが実施できない。i3 Micro ModuleとNetwork Controllerはこういった問題を解消し、設備のダウンタイム抑制や寿命の延命に役立つ」と話す。

 両製品を使用する際には、エッジAIの学習を行うトレーニングフェーズを経て、エッジAIを組み込んだi3 Micro Moduleを用いてメンテナンスを行うオペレーションフェーズを行う必要がある。トレーニングフェーズでは、メンテナンスの対象となる設備に取り付けたi3 Micro ModuleをBluetooth Low Energy(BLE)もしくはUSBでPCと接続し、出力される振動データをCbM Studioで収集し、ローカルPCでAIモデルの学習を行う。

【訂正】初出時に、AIモデルの学習方法に関してクラウドで行うと掲載していました。お詫びして訂正致します。

 オペレーションフェーズでは、各設備に取り付けたi3 Micro ModuleとPCに装着したNetwork Controllerの間で、2.4GHz帯を用いたワイヤレスメッシュネットワークを構築する。i3 Micro Moduleからは、エッジAIのアルゴリズムに基づいて各設備の状態検知に必要な最小限のデータのみがNetwork Controllerを経てPC内のCbM Studioに送信される。同製品のワイヤレスメッシュネットワークには、自己形成と自己修復に対応し、複雑な設定をしなくても、広範囲をカバーする信頼性の高いシステムを実現できる6TiSCHを採用している。

 i3 Micro ModuleのエッジAIは、モジュール内部でデータ処理と状態判定を完結し、データの秘匿性を確保しているだけでなく、必要最小限のデータをPCに送信することによる消費電力を抑えられるので、i3 Micro Moduleの電池を長持ちさせる効果も得られる。


トレーニングフェーズとオペレーションフェーズのイメージ[クリックで拡大] 出所:TDK

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