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衛星のライフサイクル全体におけるサステナビリティのガイドラインを策定:宇宙開発
アクセルスペースは、衛星のライフサイクル全体のサステナビリティに関するガイドライン「Green Spacecraft Standard 1.0」を定めた。衛星システムの企画や設計から製造、運用、廃棄までを対象とする。
アクセルスペースは2023年6月12日、衛星のライフサイクル全体のサステナビリティに関するガイドライン「Green Spacecraft Standard 1.0」を発表した。衛星システムの企画や設計から製造、運用、廃棄まで、ライフサイクル全体におけるサステナビリティについて定めている。
同ガイドラインは、各国政府や国際機関が提示するガイドラインより一段高い基準を設定。使用済み衛星を運用終了後5年以内に廃棄するルールや、宇宙事業者向けサステナビリティ評価制度SSR(Space Sustainability Rating)にも対応している。
同社は、2022年春に小型衛星のワンストップサービス「AxelLiner」を発表している。このガイドラインの基準を満たすための設計製造方法を確立しつつあり、その1つとして、任務終了後の衛星を大気圏に再突入させるデオービット機構「D-SAIL」を開発した。
同ガイドラインを、ミスミグループ本社、由紀ホールディングス、キャリムエンジニアリングなどの宇宙機製造アライアンス企業とともに、AxelLiner事業に適用していく。今後は衛星への搭載に向けて、軌道上実証により開発システムを検証予定だ。
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