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混色による色ばらつきを低減する車載インテリア向けRGBチップLED:組み込み開発ニュース
ロームは、車載インテリア向けRGBチップLED「SMLVN6RGBFU」を開発した。混色による色ばらつきを素子の混色制御技術によって低減し、正確な色表現に貢献する。車室内の機能や状態表示用インジケーター、装飾照明に使用される。
ロームは2023年5月29日、車載インテリア向けRGBチップLED「SMLVN6RGBFU」を開発したと発表した。サンプル価格は1個500円(税別)で、同年2月から月産30万個体制で量産を開始している。
一般的にRGBチップLEDを狙いの色に発光させるためには、搭載されている赤、緑、青(RGB)それぞれの素子の色や明るさを細かく制御する技術と、混色性を高める技術が必要とされる。
同社は、素子を製造段階から作り込む一貫生産体制により、一般品と比較して素子の色ばらつきを抑えることに成功。さらに、RGBチップLEDに生じやすい混色による色ばらつきを、素子の混色制御技術によって低減した。
また、同製品とあわせて高精度な色度シミュレーションシステムを提供し、より狙いの色に近づけるための細かい色の合わせ込みもサポートする。
同製品は、メーターやCID(Center Information Display)など、車室内の機能、状態表示用インジケーターにおいて多彩な色表現を可能とする。また、足元やドアハンドルなどの装飾照明にも使用され、車室内空間の快適性や高級感の演出ニーズにも応える。
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