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GaNデバイスの性能を最大化する超高速駆動制御IC技術を確立:組み込み開発ニュース
ロームは、GaNデバイスなど高速スイッチングデバイスの性能を最大化する、超高速駆動制御IC技術を確立した。同技術採用の制御IC製品として、2023年後半に100V入力1チャンネルDC-DCコントローラーをサンプル出荷する予定だ。
ロームは2023年3月3日、GaN(窒化ガリウム)デバイスなどの高速スイッチングデバイスの性能を最大化する、超高速駆動制御IC技術を確立したと発表した。同技術を搭載した制御IC製品として、2023年後半に100V入力1チャンネルDC-DCコントローラーをサンプル出荷する予定だ。
電源ICで追求してきた超高速パルス制御技術「Nano Pulse Control」を発展させ、これまで9ナノ秒だった最小制御パルス幅を2ナノ秒にまで縮小。高周波領域の高い降圧比により中間電圧用の電源ICを不要にした。48V系や24V系のアプリケーションを中心に、最大60.0Vから0.6Vへの降圧変換をひとつの電源ICで達成できるようになった。
同社のGaNデバイス「EcoGaNシリーズ」と開発中のDC-DCコントローラーを組み合わせることにより、従来のSiデバイスで構成した電源回路と比べて、実装面積を86%削減できる。データセンターや基地局、FA機器、ドローンなど、さまざまなアプリケーションの省エネ化や小型化につながると期待している。
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