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センシング用途向けに小型短波長赤外デバイスの量産技術を確立:組み込み開発ニュース
ロームは、ポータブル機器やウェアラブル機器のセンシング用途向けに、小型短波長赤外デバイスの量産技術を確立した。1608サイズと小型のため、実装面積削減による省スペース化と小型アプリケーション向けのセンシングが可能となる。
ロームは2023年2月16日、ポータブル機器やウェアラブル機器のセンシング用途向けに、小型短波長赤外(SWIR)デバイスの量産技術を確立したと発表した。同年3月にサンプル出荷する。
小型SWIRデバイスのパッケージは、発光側が1608サイズ(1.6×0.8mm)、受光側は1608サイズ、20125サイズ(2.0×1.25mm)の2種がある。これらを組み合わせることで、実装面積削減による省スペース化と小型アプリケーション向けのセンシングが可能となる。
発光側のSWIR LEDは、1050、1200、1300、1450、1550nmの5種類の波長帯と、モールドタイプおよびレンズタイプのパッケージ形状を組み合わせた10種類のラインアップを予定。水やガス、グルコースなど幅広い物質検出に対応する。
受光側のSWIRフォトダイオードは、受光径サイズ2種類、パッケージ2種類を組み合わせた4種類を予定している。高速応答や高感度センシングといったアプリケーションの用途に適した選択が可能だ。
SWIRは、物質への透過性が高い、太陽光などの微粒子の影響を受けにくいといった特徴から、センシング領域への活用拡大が期待されている。しかし、従来のSWIRデバイスは大型アプリケーション用途向けが多く、小型アプリケーション用途に適した面実装パッケージ製品はあまり市場に出回っていなかった。
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