RTOSプラットフォームのSDKがBSPを拡張、NXPの「S32G」に対応:組み込み開発ニュース
イーソルは、スケーラブルリアルタイムOSプラットフォーム「eMCOS」のソフトウェア開発キット「eMCOS SDK」に、NXP Semiconductorsのハードウェア開発ボード「S32G-VNP-RDB2」に対応したBSPを搭載した。
イーソルは2023年5月23日、スケーラブルリアルタイムOSプラットフォーム「eMCOS」のソフトウェア開発キット「eMCOS SDK」に、ハードウェア関連のボードサポートパッケージ(BSP)を搭載したと発表した。
eMCOS SDKは、機能安全への対応や重要度の異なるソフトウェアが混在したアプリケーションの開発を支援する。
搭載のBSPは、NXP Semiconductorsのハードウェア開発ボード「S32G-VNP-RDB2」に対応。マルチカーネルアーキテクチャ搭載のPOSIX準拠リアルタイムOSプラットフォームであるをeMCOSを基に、同ボード上にて車両のサービス指向ゲートウェイ(SoG)やドメイン制御アプリケーション、高性能プロセシング、安全でセキュティに優れたアプリケーションを開発できる。
また、POSIXインタフェースを使用して、LinuxなどのOSで動作するアプリケーションをリアルタイムOS「eMCOS POSIX」上に移植できる。
NXP S32G BSPと統合したeMCOS SDKは、Ethernet、メモリ、ストレージ用トランザクションファイルシステム、DMA、UARTなどに対応済みだ。
イーソルは今後もeMCOS SDKの機能強化を図るため、BSP拡張を進めていく。年内には、eMCOS POSIXおよびeMCOS Hypervisor用のソースコードパッケージ、ISO 26262 ASIL-Dの事前認証済みライセンス、自動車の機能安全に関するセーフティマテリアルなどのアドオンをリリースする。
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