ソフトウェアファクトリー対応のリアルタイムOS開発キットを発表:組み込み開発ニュース
イーソルは、スケーラブルリアルタイムOSプラットフォーム「eMCOS」のソフトウェア開発キット「eMCOS SDK」の内容を一新してリリースした。2023年4月に一般リリースを開始する。
イーソルは2023年3月14日、内容を一新した、リアルタイムOSプラットフォーム「eMCOS」のソフトウェア開発キット(SDK)「eMCOS SDK」を発表した。標準サポートやメンテナンスを含めた、開発ソフトウェアコンポーネントをセットにしている。既に主要ユーザーへ提供を開始しており、一般向けには同年4月より提供する。
最新版では、ソフトウェア定義型自動車(SDV)の開発などで注目を集める「ソフトウェアファクトリー」に対応。eMCOSを中心に、リアルタイムOS「eMCOS POSIX」をはじめ、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)ツールに統合できる開発ツールスイートの「eDEVS」、Armハードウェアプラットフォームに最適化したC/C++コンパイラとC/C++ライブラリが含まれる。
デバッグプローブ「Arm DSTREAM」に対応するほか、高信頼性のトランザクションファイルシステム、セキュアなTCP/IPネットワーク通信用ミドルウェア、Armプラットフォーム対応のサンプルBSP(Board Support Package)もセットにした。
また、基本ソフトウェアパッケージを補完するため、仮想化機能を提供する「eMCOS Hypervisor」、Armの固定仮想プラットフォームで使用できるFVP(Fixed Virtual Platform)などの統合型アドオンを用意。今後、eMCOS POSIXやeMCOS Hypervisor用のソースコードパッケージなどのアドオンも提供予定だ。
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