グンゼがプラスチックフィルム事業の基幹工場をサーキュラーファクトリーに転換:工場ニュース
グンゼは、プラスチックフィルム事業の基幹である守山工場をサーキュラーファクトリーに転換する。太陽光や水資源をエネルギーとして活用するほか、製品や原材料など従来廃棄していたものを新たな資源として再生し、循環させる。
グンゼは2023年4月12日、滋賀県守山市の守山工場で進めていたサーキュラーファクトリー(資源循環型工場)への転換工事が同月18日に終了すると発表した。同社は、守山サーキュラーファクトリーが最終形となる2027年度までに、94億9400万円の投資を予定している。
工場は鉄骨造で、延べ床面積は1万786m2。プラスチックフィルム事業の基幹工場として、ラベル用収縮フィルムを製造する。
サーキュラーファクトリーは、エネルギーとして太陽光や水資源を活用する。これに加え、従来は廃棄されていた製品や原材料などを新たな資源として、廃棄物を出さずに資源を循環させる施設となる。
また、廃棄物を再利用し、埋め立て処分量をゼロにするゼロエミッションに取り組む。ナイロンとPETなどの異種積層フィルムを分離、再生するのはこれまで困難だったが、同工場完成後、2026年までにリサイクルセンターを設置し、自社の異種積層フィルムを回収して分離、再生する。これにより、100%循環型原料の製品化を目指す。
包材のうち、ガスバリア性が要求されるものについては、リサイクルが容易なモノマテリアル化が主流となっている。しかし同社は、異種積層による機能性付与技術を生かすため、分離再生技術を普及していく。
同社では、プラスチックフィルム事業での使用原料を循環型原料に置き換える方針で、2027年までに50%、2030年には100%置き換えると宣言している。今後、守山サーキュラーファクトリーで培ったノウハウを国内外の生産拠点で活用し、2030年までにプラスチックグループ全体で廃プラゼロを目指す。
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