esaとサガシキが業務提携、廃プラの回収力と再生プラ製品の開発力を強化:リサイクルニュース
esaはサガシキと業務提携を締結した。今後は、サガシキの製品企画力と強固な販売網を活用し、廃棄プラスチックの回収や再生プラスチック「Repla」を活用した製品開発を推進する。
プラスチックのリサイクルを中心とした環境事業を展開するesa(イーサ)は2023年4月18日、サガシキと業務提携を締結したと発表した。
業務提携を通じ、1945年の創業以来、パッケージ商品を提供しているサガシキの製品企画力と強固な販売網を活用し、軟包装資材の製造工程で排出される廃棄プラスチックの回収や再生プラスチック「Repla(レプラ)」を活用した製品開発を行い、市場へ提供していく。
Replaは、これまでリサイクルが難しかった複合プラスチック素材をペレット化する仕組み「esa method(イーサメソッド)」により、低コスト/低エネルギーで生成された再生プラスチック。
今回の業務提携では、従来の石油由来プラスチックやバイオマス原料プラスチックを活用した環境包材に代わる複合プラスチック素材のレジ袋などを、Replaを用いて共同で開発し、スーパーなどの買い物で使われる薄膜レジ袋の品質確立に取り組む。また、Replaを用いた商品の販売と提供を通じ、サーキュラーエコノミー市場の開拓を目指す。
業務提携の背景
日本国内におけるプラスチックのリサイクル率は25%で、約60%は焼却されているという。そして、熱回収すらできない15%は埋め立てや他国で処理されるケースが多く、解決策が求められている。
一方、一般に使用されているプラスチックの多くは、多層プラスチックフィルムに代表されるように、機能/性能を持たせるために性質が異なる複数種類のプラスチックが組み合わされている。しかし、複数種類の樹脂が複合されたプラスチックのマテリアルリサイクル手法は確立されておらず、既存技術では再生原料として使用されることはほぼないという。こういった状況を考慮し、esaとサガシキは業務提携に踏み切った。
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