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ホウレンソウの収穫量を1.4倍とする植物成長促進分子を開発、CO2で育つ仕組みとは:脱炭素(2/2 ページ)
パナソニック ホールディングスは、2024年度の上市を目指し、野菜の収穫量を増加する植物成長促進分子「Novitek」の開発を進めている。
目指す将来像はCO2循環型食糧システム
同社では、生産エネルギーの削減とコストカットに貢献するという相乗効果が得られるため、人工光合成や藻類利用、植物バイオ燃料といった既存技術とNovitekの併用も推奨している。
現在、パナソニックホールディングス テクノロジー本部ではNovitekの技術信頼性と普及力の強化を図っている他、環境農林水産総合研究所と連携し農業試験場でNovitekの効果を検証中だ。
加えて、パナソニック環境エンジニアリングを介し、外部の企業にNovitekの製造を委託している。パナソニック環境エンジニアリングでは、テクノロジー本部からNovitekの基礎データを受け取り、外部の企業に導入するNovitekの量産設備や国内外での販売網の構築を進めている。
児島氏は、「将来は、食糧生産力向上と安定化や環境負荷低減、CO2の削減を図れるCO2循環型食糧システムとしてNovitekを展開していきたい」と展望を語った。
パナソニックHD テクノロジー本部の研究開発活動
パナソニックHD テクノロジー本部は、サステナビリティとウェルビーイングの領域に注力し、最先端のテクノロジーを中核に、顧客と共同で社会課題を解決するイノベーションの創出を目標に掲げている。
これまではセンシング技術に強みを持ち研究開発を行っていたが、現在はくらしの成り立ち(食料、環境、健康)分野に踏み込み、Novitekをはじめとするバイオ物質生産技術の開発に力を入れている。
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