AI技術と内視鏡デバイスを統合、医療機器用AIプラットフォームを構築:医療機器ニュース
NVIDIAは、同社のヘルスケア向けAI技術を、Medtronicのリアルタイム大腸内視鏡検査ツール「GI Genius」に統合する。両社は協力して、医療機器向けAIプラットフォームを構築する。
NVIDIAは2023年3月21日(現地時間)、同社のヘルスケア向けAI(人工知能)技術を、Medtronicのリアルタイム大腸内視鏡検査ツール「GI Genius」に統合することを発表した。両社は協力して、医療機器向けAIプラットフォームを構築する。
GI Geniusは、Cosmo Pharmaceuticalsが開発、製造したインテリジェント内視鏡検査モジュールだ。FDAが初めて認可した、AI支援型の大腸内視鏡検査ツールになるという。大腸がんにつながる可能性のあるポリープの検出において、医師の診断を支援する。
統合を予定しているのは、医療機器の構築に向けたリアルタイムAIコンピューティングプラットフォーム「NVIDIA Holoscan」と、産業向けエッジAIハードウェアプラットフォーム「NVIDIA IGX」だ。開発者は、これらを統合したGI Geniusシステムを利用することで、「Cosmo Innovation Center」内でAIモデルのトレーニングと検証を効率的に実施可能になる。
また、ソフトウェアアプリケーション市場であるMedtronicの「GI Genius AI Accesプラットフォーム」で、AIを活用したアプリケーションをホスト可能にすることで、ソフトウェアデファインド(Software Defined)の医療機器を可能にする。
同社の技術を活用して構築した初のGI Geniusシステムは、2023年後半に発売予定だ。
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