水素関連技術の特許総合力を調査、1位は三井金属鉱業:知財ニュース
パテント・リザルトは、「水素の貯蔵、輸送、供給、水素ステーション関連技術」の参入企業を対象とした特許総合力ランキングを発表した。1位は、水素吸蔵合金関連の特許が注目されている三井金属鉱業となった。
パテント・リザルトは2023年3月28日、「水素の貯蔵、輸送、供給、水素ステーション関連技術」の参入企業を対象とした特許総合力ランキングを発表した。
これらの技術は、脱炭素社会に向けて必要とされるGX(グリーントランスフォーメーション)と関わりがある。今回のランキングは、水素の貯蔵、輸送、供給、水素ステーションの関連技術について、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を基に、特許分析ツール「Biz Cruncher(ビズクランチャー)」を用いて、特許の質と量から総合的に評価した。
6位以下には三洋電機もランクイン
その結果、特許総合力ランキングトップ5は、三井金属鉱業、AIR PRODUCTS AND CHEMICALS(エアプロダクツアンドケミカルズ)、GSユアサ、トヨタ自動車、本田技研工業となった。
1位の三井金属鉱業が有する注目度の高い特許としては、「希土類混合物を含有するCaCu5型水素吸蔵合金において、希土類混合物中のNd及びPrの含有率を低減しつつ、寿命特性を維持できる水素吸蔵合金」や「電池としての出力特性や充電受入性を良好なものとし、割れが少なく寿命特性も良好な水素吸蔵合金」などがある。
2位のAIR PRODUCTS AND CHEMICALSは「システム全体の発電効率に優れ、かつシステムの簡略化を向上させた燃料電池システム」を保有しており、3位のGSユアサは「サイクル特性を優れたものとし得る水素吸蔵合金電極及びそれを用いたニッケル水素電池」などの特許を取得している。
なお、ランキング6位以下には、ENEOS、三洋電機、新日本電工、タツノ、辰巳菱機などがランクインした。
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