自動車部品特許申請で拒絶理由に引用された特許件数の企業ランキング:知財ニュース
パテント・リザルトは、自動車部品業界の特許を対象にした特許審査過程で、他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「自動車部品業界 他社牽制力ランキング2021」を発表した。
パテント・リザルトは2022年7月7日、自動車部品業界の特許を対象にした特許審査過程で、他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「自動車部品業界 他社牽制力ランキング2021」を発表した。
集計対象は、2021年12月までに公開された全ての特許のうち、同年1月〜12月末に拒絶理由として引用された特許だ。集計の結果、最も引用された企業がデンソーで、アイシン、日立Astemoが続いた。
1位のデンソーは、「受取人が不在の場合でも配達物の受け渡しを確実に行える車両用配達物受取装置」に関する技術が最も多く引用された。トヨタ自動車など、計23件の審査過程で引用されている。他に、「状況に応じて自在な場所に配車可能な自動配車システム」に関する技術が、計9件の拒絶理由として引用された。
2位のアイシンでは、「トランスミッション周囲の空間の広狭に関わらず搭載できる安価な電動オイルポンプ」に関する技術が計6件と、最も引用されている。その他に、「自動運転制御走行の為のより適切な推奨経路を探索できる経路探索システム」に関する技術も5件引用されている。
3位の日立Astemoで最も多かったのは、「移動体の将来位置を高精度に予測することができる移動体軌道予測システム」に関する技術だ。本田技研工業など、計7件の審査過程で引用があった。
今回の集計により、直近の技術開発で競合他社が権利化する際、阻害要因となる先行技術を多く保有している先進的な企業が明らかになった。
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