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住友金属鉱山らがチリで銅精鉱の生産を開始、年間24万tの銅を産出:製造マネジメントニュース
住友金属鉱山と住友商事は、Teck Resourcesとともに、チリ共和国でケブラダブランカ銅鉱山の開発プロジェクトを実施している。
住友金属鉱山と住友商事は2023年4月3日、カナダの資源メジャー企業であるTeck Resources(テック・リソーシズ)とともに、チリでケブラダ・ブランカ銅鉱山(QB銅鉱山)の開発プロジェクト「QB2プロジェクト」をスタートしたと発表した。
QB2プロジェクトでは、QB銅鉱山で主要設備への鉱石投入や銅バルク精鉱の生産を開始している。QB銅鉱山はチリのタラパカ州に位置し、可採鉱量は銅が約700万t(トン)で、資源量は銅が約2400万t(参入時の銅量は約1800万t)。
マインライフは約28年(可採鉱量分のみ)で、平均年間生産量(含有金属量)は銅が2400万tとなり、モリブデン、銀も採掘される。採掘方法は露天掘りで、選鉱操業は浮遊選鉱により銅およびモリブデン精鉱を産出している。
左から、積出港と海水脱塩設備、送電線(紫色の線)、パイプライン(水色は淡水、オレンジは銅精鉱)、QB銅鉱山設備(Millが選鉱場、TMFが尾鉱ダム、Mineが採掘ピット)[クリックで拡大] 出所:住友金属鉱山
今後は、副産物の分離などを通じて銅の純度を高めた製品規格の銅精鉱生産や港での出荷で必要な設備の建設と試運転、フル生産に向けた設備のランプアップ(生産量を徐々に増やす過程)を進め、20年以上にわたり長期安定的な生産を続ける見込みだ。
住友金属鉱山は、長期ビジョンで1年当たり30万tの銅権益生産量を目標としており、QB2プロジェクトの生産開始により、目標達成に向けた大きな足掛かりになるという。
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