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ナノ化させた銅を用いた抗菌抗ウイルス剤を開発:材料技術
石原ケミカルは、ナノ化させた銅を用いて、抗菌抗ウイルス剤を開発した。製品成型時に少量混ぜるだけで、抗菌抗ウイルス効果を発揮する銅ナノ粉を配合した樹脂用マスターバッチの提供を開始した。
石原ケミカルは2023年3月7日、ナノ化させた銅(銅ナノ粉)を用いて、抗菌抗ウイルス剤を開発したと発表した。銅ナノ粉を配合した樹脂用のマスターバッチの提供を開始している。
マスターバッチに銅ナノ粉を高濃度で充填しており、製品の成型時に少量混ぜて成型するだけで、製品全体に有効成分が分散し、抗菌抗ウイルス効果を発揮する。アルコール消毒剤が効きにくいノンエンベロープウイルスに対しても有効だ。効果は長期に持続し、樹脂混錬などの高温プロセスを経ても性能は変わらない。
銅の抗菌効果は、空気中や手のひらの微量の水分と反応して発生する活性酸素種によるものだ。銅をナノ化して表面積を増やすことで、活性酸素がより多く発生し、即効性のある抗菌効果が得られる。
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