ニュース
半導体用先端素材向け工場を茨城県に建設、JX金属が2000億円規模の投資で:工場ニュース
JX金属は2022年3月16日、茨城県ひたちなか市に新工場建設用大規模用地の取得を行ったと発表した。新工場では、半導体用スパッタリングターゲットや圧延銅箔、高機能銅合金条などの既存成長分野に加え、結晶材料など先端素材関連新規事業向けの中核拠点としての役割も持たせる計画だ。
JX金属は2022年3月16日、茨城県ひたちなか市に新工場建設用大規模用地の取得を行ったと発表した。新工場では、半導体用スパッタリングターゲットや圧延銅箔、高機能銅合金条などの既存成長分野に加え、結晶材料など先端素材関連新規事業向けの中核拠点としての役割も持たせる計画だ。
JX金属が新たに取得した用地の敷地面積は約24万m2となる。ここに建設する新工場では、現在需給が逼迫(ひっぱく)する半導体用スパッタリングターゲットや圧延銅箔、高機能銅合金条などの先端素材の生産を行う計画だ。これらの先端素材は今後も需要が旺盛に続く見込みであり、供給体制の構築を図る。また、6G時代で期待される光通信の拡大に合わせ、新規事業として期待されている結晶材料の中核拠点としての役割も持たせる。
新工場への総投資額は、現時点では2000億円規模になる見込み。2025年度(2026年3月期)初頭から順次操業を開始し、最終的には500人規模の主要拠点とする計画だ。同社の日立事業所や磯原工場から距離も近く、東京都港区の本社へのアクセスも良好であるため、拠点間の連携活用を進めていくという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 日立市に半導体用スパッタリングターゲットと圧延銅箔の生産工場を新設
JX金属は、茨城県日立市に、半導体用スパッタリングターゲットと圧延銅箔の生産工場を新設する。今後見込まれる市場拡大と大幅な需要増加に対応するため、2020年度比でそれぞれ約80%と25%の生産能力増強を図る。 - 半導体強国復活に向けて日本は何をすべきか、日米連携でポスト3nmプロセス誘致へ
エレクトロニクス製品サプライチェーンの国際展示会「SEMICON Japan 2021 Hybrid」(以下、SEMICON Japan、2021年12月15〜17日、東京ビッグサイト)のオープニングキーノートでは、衆議院議員自由民主党の甘利明氏が「半導体強国復活に向けて」と題して講演した。 - 半導体露光機で日系メーカーはなぜASMLに敗れたのか
法政大学イノベーション・マネジメント研究センターのシンポジウム「海外のジャイアントに学ぶビジネス・エコシステム」では、日本における電子半導体産業の未来を考えるシンポジウム「海外のジャイアントに学ぶビジネス・エコシステム」を開催。半導体露光機業界で日系企業がオランダのASMLに敗れた背景や理由について解説した。 - 半導体や樹脂不足、サプライチェーン混乱への対応に迫られる2022年
ワクチン接種なども含め“Withコロナ”への動きが進んだ2021年。製造業においても復調が期待されたが、そこに水を差したのが半導体不足などを含むサプライチェーン混乱だ。2022年はこれらへの一時的対処が進む一方、今後も断続的に生まれるサプライチェーンの問題を抑制するような根本的な対応強化も進む見込みだ。 - 深刻な材料不足と高騰化、設計現場で何ができるか?
2022年は引き続き、半導体不足とともに、樹脂不足が製造業に大きな影響を与える見通しです。材料や調達部品が手に入らず、代替品の利用を検討するなど各社対策を講じ始めていますが、設計現場として何かできることはないでしょうか? 「樹脂使用量の削減」「部品点数の削減」「代替品への対応」という3つの視点で、どのようなアプローチがとれるのか、その可能性について考えていきます。 - 半導体不足の遠因となった、旭化成の半導体工場火災で起こったこと
旭化成は2021年9月14日、2020年10月に起きた宮崎県延岡市の旭化成エレクトロニクス 半導体製造工場の火災について事故調査報告書をまとめたと発表した。建屋棟の損傷が激しく火災原因の特定には至らなかったが、発火場所の推定と、再発防止策などの調査結果を公開している。