セブン-イレブンへ商品提供する139工場がDXツール導入、ノーコードで簡単活用:FAニュース
カミナシは同社が手掛ける現場DXプラットフォームである「カミナシ」が、セブン-イレブン・ジャパンの弁当、総菜を製造する各社の工場に導入されたことを発表した。
カミナシは2023年3月22日、同社が手掛ける現場DX(デジタルトランスフォーメーション)プラットフォームである「カミナシ」が、セブン-イレブン・ジャパン(以下、セブンイレブン)の弁当、総菜を製造する各社の工場に導入されたことを発表した。
国内に2万1402店舗(2023年2月末時点)を展開するセブン-イレブンの主力商品である弁当や総菜、サンドイッチなどは、セブン-イレブンが提携する63社176工場によって生産されている。
商品の鮮度の短さから高いレベルの衛生、品質管理が求められているが、多くの製造メーカーでは衛生、品質管理の記録は紙帳票で行われ、記録の形骸化や回収、保管などの業務負荷が課題となっていた。セブン-イレブンでも、全国の工場の情報を把握するまで時間を要していたことから、ITツールの活用を決断。セブン-イレブンに商品を提供する各社で構成する日本デリカフーズ協同組合とともにカミナシの導入を推進した。
セブン-イレブンにとってメーカー各社は独立した取引先であり、ITツールの導入は各社で行う必要があった。さらに、メーカーには専任のIT担当者がいない場合も多いため、現場担当者自ら導入できるツールを中心に選定を行った。カミナシは、プログラミング知識が不要で、マウスのドラッグ&ドロップだけで設定ができるノーコードツールである点が評価された。
2023年2月までに、セブン-イレブンが提携する139の工場にカミナシが導入された。導入後は、工場で紙帳票の印刷や回収、保管の時間、工場内の各所へ出向いて紙帳票を確認する必要がなくなり、工場管理者の作業時間が短縮された他、カミナシ導入時に業務フローを見直すで従業員の業務効率化への意識が向上したという。
さらに、カミナシは英語や中国語、タイ語、ベトナム語、ネパール語など43言語に対応しており、翻訳機能を活用することで従業員の多国籍化が進む工場での母国語による作業手順の確認や記録が可能になった。
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