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アクティブファーマと日本曹達が「連続フロー法」の社会実装に向け協業:材料技術
アクティブファーマと日本曹達は、製造プロセスの改善を目的に技術提携契約を締結した。「連続フロー法」の社会実装に向け、協業を進める。
三谷産業は2023年2月15日、グループ会社のアクティブファーマと日本曹達が、製造プロセスの改善を目的として、技術提携契約を締結したと発表した。「連続フロー法」の社会実装に向けて協業を進める。
連続フロー法は、東京大学大学院理学系研究科 教授の小林修氏らの研究グループが2015年に構築した合成手法。化学反応に必要な原料を反応器に流し、生成物を連続的に取り出すフロー法の利点を生かしながら、複雑な化合物を合成できる。固体状態のまま化学反応を促進する不均一系触媒を用いた反応装置を連結して、それぞれの反応を組み合わせることで、医薬品有効成分を高収率かつ高選択収率で合成可能だ。
医薬品原薬の開発と製造を手掛けるアクティブファーマは、連続フロー法の商業化に向けて、2020年5月より同研究グループと共同研究を進めている。医薬品などの高機能かつ高付加価値の化学製品を提供する日本曹達では、連続フロー法が将来的に自社の製造プロセスにも応用できるとし、今回の提携を契機に共同研究に参画する。
今後、3社は、連続フロー法による製造プロセスの社会実装に向けて、緊密に連携していく。また、アクティブファーマと日本曹達は、両社の持つ技術やノウハウを組み合わせることで、それぞれの事業領域における製造プロセス技術の開発が加速できるとしている。
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