アマダが新たなファイバーレーザー溶接ロボットシステム開発、AI活用など3機種:産業用ロボット
アマダは、ファイバーレーザー溶接ロボットシステム「FLW-6000ENSISe」「FLW-3000Le」「FLW-1500MT+CR」を開発した。安全性や操作性が向上し、省エネ、省スペース化している。
アマダは2023年2月3日、溶接ロボットシステム「FLW」シリーズの新製品として、ファイバーレーザー溶接ロボットシステム「FLW-6000ENSISe」「FLW-3000Le」「FLW-1500MT+CR」を開発、発表した。安全性や操作性が向上し、省エネ、省スペース化している。
ハイエンドモデルのFLW-6000ENSISeは、補正機能として「AI-TAS」を搭載。AI(人工知能)が自動で実画像と3D画像の溶接線を検出し、正しい溶接箇所に移動する。補正作業をAIが実施するほか、「自動ノズルギャップ調整」によりノズルの高さ調整を自動化した。また、6kWのシングルモジュール発振器やビームパワーを落とさずに溶接部を溶かす技術などにより、各種材質、板厚、溶け込み形状、継手形状などを安定して溶接できる。
ミドルレンジモデルのFLW-3000Leは、設置面積が約35%減少し、都市型工場にも適する。コンパクトな加工ヘッドにより、角300mm容器の内側溶接に対応。長手の製品でも、パルス加工で均一な溶接ビードを提供する。
FLW-1500MT+CRは、ハンディ溶接に協働ロボットを実装したエントリーモデルとなる。長手の継手を溶接する際、始点と終点の指示だけで、加工条件に合わせた速度を一定に保ちつつ溶接できる。ロボットとハンディの使い分けも可能で、仮止めや短尺物、ティーチングしにくい箇所をハンディで溶接できる。
定格レーザー出力は、FLW-6000ENSISeが6000W、FLW-3000Leが3000W、FLW-1500MT+CRが1500W。可搬重量は、それぞれ50、25、6kgとなる。LW-6000ENSISeとFLW-3000Leは、新開発のNC装置「AMNC 4ie」を搭載しており、顔認証により熟練度に合わせて操作画面を起動する。また、CO2排出量のモニタリングにも対応している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「何ができるか」に代え「なぜできるか」を発信、アマダが強める技術指向【前編】
アマダは神奈川県伊勢原市の本社敷地内に「Amada Global Innovation Center」(AGIC)を開所した。本稿では、前編としてAGICの概要と業界初という「Innovation LABO」、従来の機械展示を見直した「Innovation SITE」について紹介する。 - 進化した「My V-factory」で工場はどう変わる? アマダが強める技術指向【後編】
アマダは神奈川県伊勢原市の本社敷地内に「Amada Global Innovation Center」(AGIC)を開所した。本稿では、後編としてアマダの最新IoT(モノのインターネット)ソリューションなどを展示する「Engineering FIELD」を中心にAGICを紹介する。 - アマダが8年ぶりのトップ交代、板金機械の開発を担った新社長で技術指向を強化
アマダは取締役 専務執行役員で板金開発・生産本部長の山梨貴昭氏が代表取締役社長に就任することを発表した。現代表取締役社長の磯部任氏は代表取締役会長に就く。 - 顔認証や遠隔操作も、新NC搭載のファイバーレーザーマシンなど3機種を国内初披露
アマダは「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」(2022年11月8〜13日、東京ビッグサイト)において、新NC装置「AMNC 4ie」を搭載したファイバーレーザーマシン「VENTIS-3015 AJ e」などを国内初披露した。 - 機械が最高のパフォーマンスを発揮する工場へ、アマダが描くスマート化の理想像
板金加工機械大手のアマダは2018年5月から中小板金工場向けのIoTソリューション「V-facatory」の本格展開を開始したアマダ 執行役員 ベンディング事業本部長 アマダIoT(V-factory)推進プロジェクトリーダーの横山匡氏に話を聞いた。 - 軌跡をコントロールするレーザー加工技術、IoTによる自動化など工場の進化を訴求
アマダグループは2019年5月18日〜6月22日までユーザーイベント「AMADA INNOVATION FAIR 2019」(同社伊勢原事業所)を開催。その中で生産性と精度の両立を実現する新たなレーザー加工技術「LBCテクノロジー」搭載のファイバーレーザーマシンや、IoT(モノのインターネット)を活用した新たな工作機械の活用など、さまざまな新製品や新技術を紹介している。