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日本製鉄の新たな意匠性チタンが「G-SHOCK」新モデルのベゼルとバンドに採用:材料技術
日本製鉄が開発したチタン合金「Super-TIX 20AFG」が、カシオ計算機「G-SHOCK」の新モデル「GMW-B5000TCC-1JR」のベゼルとバンドに採用された。ステンレスと遜色ない鏡面性と優れた加工性を備え、電波受信特性も確保している。
日本製鉄は2023年1月20日、意匠性チタン「TranTixxii(トランティクシー)」のチタン合金「Super-TIX 20AFG」が、カシオ計算機「G-SHOCK」の新モデル「GMW-B5000TCC-1JR」のベゼルとバンドに採用されたと発表した。
Super-TIX 20AFGは、G-SHOCK向けに両社で共同開発したもので、2021年4月に発売したモデル「GMW-B5000TR-9JR」に続く、2回目の採用となる。
TranTixxiiは、日本製鉄の独自技術で制御した素材表面のさまざまな色彩と色調を、チタンが持つ耐食性や耐変色性によって長期間にわたって持続させるチタンブランドである。チタンはステンレスと比較して鏡面性や加工性に劣ることが課題だったが、Super-TIX 20AFGは、化学成分の最適な配合を探り、μm単位で金属組織を制御する。これによりステンレスと遜色ない鏡面性と優れた加工性を発現させる。GPS機能搭載のモデルに対応するため、電波受信特性も確保している。
カシオ計算機は今後、メタル製G-SHOCKの比率を高め、全世界で販売拡大を図る。日本製鉄では、意匠性と強度を両立した高級時計の製品ニーズに合致した時計用チタン素材の開発だけでなく、展開に注力する姿勢を示している。
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