PETボトル用キャップの水平リサイクルを目指すコンソーシアムが誕生:材料技術
双日プラネットは、アサヒグループジャパンや日本クロージャーとともに、コンソーシアムを組成し、PETボトル用キャップの水平リサイクル「キャップ to キャップ」の実現に向けて技術検証の取り組みを行っている。
双日プラネットは2023年1月12日、アサヒグループジャパンや日本クロージャーとともに、コンソーシアムを組成し、PETボトル用キャップの水平リサイクル「キャップ to キャップ」の実現に向けて技術検証の取り組みを同日に開始したことを発表した。
キャップ to キャップは使用済みPET ボトル用キャップを同じ用途のキャップに再生する取り組みで、今回のコンソーシアムでは、キャップ回収のスキーム構築や技術検証、品質基準の確立を行い、事業性を評価する。キャップの水平リサイクルの事業化が実現すれば、飲料業界で初の取り組みとなる見通しで、新しいキャップはアサヒ飲料での採用を検討している。
各社の役割に関して、双日プラネットは合成樹脂専門商社として、海外の最新リサイクル技術の情報を収集し、国内で最適な再生技術・設備の確立を行う。アサヒグループジャパンは、傘下のアサヒ飲料とアサヒユウアスも参画し、飲料事業とサステナビリティに特化する事業を持つ強みを生かす。具体的には、アサヒ飲料では同社製品への再生樹脂の採用基準を確立し、アサヒユウアスでは主にキャップ回収のスキーム構築を行う。日本クロージャーは、キャップメーカーとして、再生樹脂を用いたキャップの成形評価を実施する。
PETボトルリサイクル推進協議会の調査結果によれば、国内ではPETボトルの回収率が94%に達し、飲料業界では水平リサイクルが推進されている。一方、キャップはリサイクルの実態把握が進んでおらず、回収とリサイクルの実態把握や方法の確立が課題となっており、今回のコンソーシアムでは、こういった問題の解消を目指す。
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