この記事は、2023年1月12日発行の「モノづくり総合版 メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
初詣の参道で見た“ごみ”がプラ容器の製造に使われる未来に期待
新年あけましておめでとうございます。私は「建設×IT」をテーマとしたWebニュースサイト「BUILT」に2022年まで所属していましたが、2023年からMONOist編集部の一員となりましたのでどうぞよろしくお願い致します。
先週は、1月の初週ということもあり、最寄りや遠方の神社に初詣に行った読者の方も多いと思います。私も遠出をし、神奈川県川崎市にある「川崎大師」に参拝してきました。多数の参拝客を目の当たりにして、初詣を習慣化している人が多いと痛感。それだけでなく、通り道に捨てられているプラスチック容器やPETボトル(たぶん、参拝客が廃棄した)も目に付きました。そして、こういう容器やボトルのリサイクルも大事だよなあ〜と思うのです。
そんな風にふとした瞬間にちらつくリサイクルの技術開発は国内で活発化しており、さまざまな企業が新たなリサイクル技術を発表しています。一例を挙げると、積水化学は2022年11月10日、都内で記者会見を開き、同社と米国ベンチャー企業のLanzaTech NZ(ランザテック)が共同開発した「BR(バイオファイナリー)エタノール技術」について紹介しました。BRエタノール技術は、使用済みプラスチックなどの可燃性ごみを分別することなくガス化し、微生物の力でエタノールに変換する技術で、生成されたエタノールはエチレンに変換し、多数重合反応させて、PE(ポリスチレン)にすることで、プラスチック容器の製造にも使えるそうです。
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