モノづくり中小企業とデザイナーのコラボが生んだ、オブジェのような花器:デザインの力
セイワは、デザイナーチームAATISMOとのコラボレーションから生み出した、オブジェのような花器「OOPARTS-002」を発表した。アルミの塊から削り出すことで金属の美しさを表現し、生けた花や植物を美しく見せる花器に仕上げている。
セイワは2022年12月5日、デザイナーチームAATISMO(アアティズモ)とのコラボレーションから生まれた、生けた花を美しく見せるオブジェのような花器「OOPARTS-002」を発表した。
古代建築の柱は、表面に溝(フルーティング)が彫られており、溝がもたらす光と影が立体感、垂直性を強調している。OOPARTS-002は、古代建築の柱の精神を継承した花器で、フルーティングのような切削痕を持つようにアルミを削り出して作成している。
アルミの持つ金属の美しさを、アルミの塊から削り出すことで表現し、生けた花や植物を美しく見せるオブジェのような花器に仕上げている。古代建築の柱は柱頭や柱身に植物が彫刻されているが、OOPARTS-002は、彫刻の植物の代わりに実際の植物が飾られたとき、花々の姿が際立つデザインになっている。
「OOPARTS(out-of-place artifacts:場違いな工芸品)」は、考古学などでは発見された場所や時代とそぐわない出土品や加工品を指す。同コラボレーションチームは「場所や時代を超えて素材と技術が出合ったもの」と捉えて、この言葉をブランド名にしている。
OOPARTSシリーズの第1弾は、金属の塊から削り出された石器のような開梱ナイフ「OOPARTS-001」で、2021年にクラウドファンディングサービス「Makuake(マクアケ)」にて、目標の880%を達成している。OOPARTS-001、002は共にオンラインショップ「SHOKUHATS(ショクハツ)」で販売中だ。
自動車部品などの精密切削加工を請け負うセイワは、2020年に一般消費者向け商品の開発に当たって、モノづくりプロジェクト「AICHI DESIGN VISION」に参加した。その際、首都圏在住のデザイナーチームAATISMOとコラボレーションする機会を得て、OOPARTS-001が誕生。その後、100%下請けからの脱却を図るため、001だけで終わることなく、コラボ第2弾となるOOPARTS-002を製作した。
セイワは引き続き、OOPARTSシリーズの商品を生み出していくことで、OOPARTSブランドを構築し、地元製造業の活性化に貢献していく。
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