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LGが曲面型有機ELテレビに再挑戦、平面から900Rまで20段階の曲率調整が可能組み込み開発ニュース(2/2 ページ)

LGエレクトロニクス・ジャパンが、平面から最大900Rまで20段階で曲率の調整が可能な42インチの有機ELテレビ「LG OLED Flex」を発表。これまで同社は曲面型の有機ELテレビを製品化したことはあったが、平面から曲面まで自由に曲率を変えられるテレビは初の市場投入となる。

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曲面ディスプレイのメリットとデメリット

 曲面ディスプレイは、平面ディスプレイと比べて、正面と端の距離の差がなく目のピント調整が不要であり、目の負担を軽減できるメリットがある。これにより包み込まれるような映像体験が得られるという。その一方で、曲面ディスプレイの正面から見なければ、より目のピントが合わせにくくなることが課題だった。2013年に曲面型有機ELテレビを投入したLGエレクトロニクスが、その後平面型で製品を展開していったのは、この課題を解決できなかったからだ。しかし、平面型と曲面型の両方を実現できるLG OLED Flexが完成したことにより、バックライトを持たない有機ELディスプレイならではの特徴を生かした製品をあらためて世に問うことを決めた。

曲面ディスプレイのメリット
曲面ディスプレイのメリット[クリックで拡大] 出所:LGエレクトロニクス・ジャパン

 LG OLED Flexは平面から最大900Rまで、5%刻み/20段階で曲率を自由に調整できる。例えば、ゲームを楽しむときは曲率を最大にし、ソファなどに座って程よい距離から2人で映画を見るときなどは数十%程度の曲率にして、もっと多くの人数でスポーツ番組を観戦する場合などには平面にするということが可能だ。LGエレクトロニクスのテレビの特徴でもある、マジックリモコンの専用ボタンを使えば簡単に曲率を変更できる。また、曲率の変更だけでなく、140mmの高さ調整、前10度〜後ろ5度のチルト角調整により、視聴距離や設置場所、コンテンツに合わせて最適な視聴環境を選べる。

視聴距離や視聴環境に合わせて曲率を調整できる
視聴距離や視聴環境に合わせて曲率を調整できる[クリックで拡大] 出所:LGエレクトロニクス・ジャパン

 映像技術では、独自の映像エンジン「α9 Gen5 AI Processor 4K」に基づく「OLED evo テクノロジー」により、「4K AIアップスケーリング」「AIジャンル選択/シーン検出」「ダイナミックトーンマッピングプロ」「オブジェクト型リアルタイム処理」「ダイナミックビビッド」「AIサウンドプロ」など、これまでのLGエレクトロニクスの有機ELテレビの特徴を継承している。

「α9 Gen5 AI Processor 4K」に基づく映像技術を搭載
「α9 Gen5 AI Processor 4K」に基づく映像技術を搭載[クリックで拡大] 出所:LGエレクトロニクス・ジャパン

 0.1msの応答速度、4K映像の120Hz表示は、主な用途として想定するゲーミング向けで力を発揮するが、新機能も追加されている。ゲームタイトルに合わせて32インチ/27インチ表示を選択でき、ヘッドセットなしでボイスチャットが可能なエコーキャンセリングマイク機能、ゲーム映像に合わせた背面LEDライティング、明るい部屋でも映り込みを低減できるSAR(Super Anti Reflection)技術、キーボートやマウスをPCと共用できるようにするスイッチングハブ機能などだ。

 なお、LG OLED Flexは、曲率調整の仕組みをスタンドに組み込んでおり、このスタンドとテレビパネルが不可分なため壁掛けでの利用はできない。重量も22.6kgと、42インチ有機ELテレビとしては重めだ。42インチ以外のサイズ展開については「まずは42インチで市場の反応を確認した上で検討することになるだろう」(植田氏)としている。

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