専用NPUを搭載、エッジインテリジェンスを加速するMCUを発表:組み込み開発ニュース
NXP Semiconductorsは、マイクロコントローラー「MCX N94x」「MCX N54x」を発表した。独自のNPUとセキュアサブシステム「EdgeLock」を搭載し、IoTや産業用途におけるエッジインテリジェンスの設計を支援する。
NXP Semiconductorsは2022年11月8日、マイクロコントローラー「MCX N」シリーズの第1弾として「MCX N94x」「MCX N54x」を発表した。独自のNPU(Neural Processing Unit)とセキュアサブシステム「EdgeLock」を搭載し、IoT(モノのインターネット)や産業アプリケーションにおけるエッジインテリジェンスの設計を支援する。サンプル供給を2023年1〜3月から開始する予定だ。
両製品とも、フル機能の「Arm Cortex-M33」のデュアルコア構成で、2MBのフラッシュメモリ、オプションでECCをサポートするRAM、音声処理用DSPコプロセッサ、統合NPUを備える。
統合NPUは単体CPUと比較して、ML(機械学習)のスループットが最大30倍まで高速化し、動作時間と全体の消費電力も低減している。また、MLソフトウェア開発環境「elQ」を提供し、MLモデルのトレーニングとサポートを容易にする。
アナログおよびデジタル周辺機器も豊富で、MCX N94xは先進のアナログとモーター制御機能を、MCX N54xはPHY内蔵High Speed USB、SDカードやスマートカードのインタフェースなどを備える。
独自のセキュアバイデザインアプローチを採用し、変更不可のルートオブトラストを備えたセキュアブート、ハードウェアによる暗号化、EdgeLockの組み込みなど、多彩なセキュリティ機能を提供する。ソフトウェア開発キット「MCUXpresso」にも対応し、組み込みシステム開発の最適化、容易化、迅速化に貢献する。
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