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“似合う”を追求するZOZO、初のリアル店舗でスタイリングサービスを無料提供スマートリテール

ZOZOは、東京・表参道にオープンする同社初のリアル店舗において超パーソナルスタイリングサービス「niaulab by ZOZO(似合うラボ)」を提供すると発表した。似合うラボでは、独自開発のAIによるファッションコーディネートとプロのスタイリストによるスタイリング提案を組み合わせたサービスを無料で提供する。

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 ZOZOは2022年11月9日、東京都内で会見を開き、東京・表参道にオープンする同社初のリアル店舗において超パーソナルスタイリングサービス「niaulab by ZOZO(以下、似合うラボ)」を提供すると発表した。似合うラボでは、事前予約した顧客1人に対してリアル店舗を2時間以上貸し切りにして、独自開発のAI(人工知能)「niaulab AI by ZOZO(以下、似合うラボAI)」によるファッションコーディネートとプロのスタイリストによるスタイリング提案を組み合わせたサービスを無料で提供する。同年12月16日の店舗のオープンと同時に似合うラボの応募も開始する。1日当たり4〜5人を目安に、初年度で約1000人の顧客へのサービス提供を目指す。

中央にいるのがZOZOの澤田宏太郎氏
中央にいるのがZOZOの澤田宏太郎氏。澤田氏の両脇にいるのは、会見のゲストとして登壇したお笑いコンビ・ラランドのサーヤさん(左)とニシダさん(右)。サーヤさんは似合うラボを簡易な形で体験した後のスタイリングになっている[クリックで拡大]

 ZOZOが展開するファッションECサイト「ZOZOTOWN」は、2021年度時点で年間の取扱高5000億円、購入者数1000万人を突破し、堅調な成長を遂げている。同社 代表取締役社長兼CEOの澤田宏太郎氏は「当社の経営戦略は、情熱の『MORE FASHION』と技術の『FASHION TECH』の掛け合わせを主軸としてきたが、これからは『“似合う”を届ける』を追加していく。この“似合う”にしっかり取り組むための第一歩になるのが似合うラボだ」と語る。

 ただし、“似合う”というファッションにとって極めてあいまいだが顧客の満足度を大きく左右する価値を提供するには「まだネットだけで完結させられない。リアル店舗と対面でのサービス提供が必要になる」(澤田氏)。また、コロナ禍を経てリアル店舗の在り方が大きく変わっており、Web専業で展開してきたZOZOとして初のリアル店舗の役割として「“似合う”の追求」を選んだという。

プロのスタイリストも入る2時間以上のサービスを無料で提供

 似合うラボは、表参道と原宿の中間、表参道ヒルズに隣接するビルの地下1階に入居している。店舗内は「試着室に飛び込む」というコンセプトで作られており、来店客の“似合う”を見つけるために、ZOZOTOWNで取り扱う幅広いブランドの中から常時700点以上のアイテムを用意している。来店客は応募時に事前アンケートを行うことになるが、そのアンケート結果を基に好みに合いそうなアイテムも用意するという。

似合うラボのリアル店舗のイメージ似合うラボのリアル店舗のイメージ 似合うラボのリアル店舗のイメージ[クリックで拡大] 出所:ZOZO
似合うラボの体験の流れ
似合うラボの体験の流れ。LINEから簡単に応募できる[クリックで拡大] 出所:ZOZO

 似合うラボAIは、ZOZOのファッションコーディネートアプリ「WEAR」が持つ約1300万件のコーディネートデータを基に、ZOZO研究所による“似合う”の研究を活用して構築された。先述の事前アンケート結果を似合うラボAIに入力すると、来店客の好みに合いそうなコーディネートが3パターン提案される。

似合うラボAIによりコーディネートが3パターン提案される
似合うラボAIによりコーディネートが3パターン提案される[クリックで拡大] 出所:ZOZO

 そして、経験豊富なプロのスタイリストが来店客のファッションに関する悩みやなりたいイメージなどをヒアリングし、似合うラボAIで提案されたコーディネートも参考にしながらスタイリングを提案する。来店客は、提案の中から気に入ったスタイリングを選んだ後、プロによるヘアメークを受け、写真撮影をして似合うラボのサービスが終了となる。この気に入ったスタイリングに用いられた商品については、スタイリングカードにまとめてられ、サービス終了後すぐにZOZOTOWNで購入できるようになっている。これら2時間以上かかるサービスは無料で提供される。

似合うラボに参加するプロスタイリスト
似合うラボに参加するプロスタイリスト[クリックで拡大] 出所:ZOZO

 澤田氏は「似合うラボは、ラボとある通りまだ研究段階。当社も目標は、ネットで“似合う”を届けるためにどうすればいいかを探索することにある。ただし、リアル店舗の必要性があれば展開を拡大することも検討したい。機械化やAIによる自動化がどれだけできるかが重要になってくるだろう」と述べている。

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