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56GbpsのPAM4信号に対応したトランシーバーを開発:組み込み開発ニュース
キオクシアは、新エネルギー・産業技術総合開発機構が進める「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」において、56GbpsのPAM4信号を送受信できるトランシーバーを開発した。
キオクシアは2022年10月4日、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が進める「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」において、56GbpsのPAM4(4値のデータ転送方式)信号を送受信できるトランシーバーを開発したと発表した。
従来のCDR(クロックデータリカバリー)では、PAM4信号の特定の遷移点のみを受信データと誤認して、クロック信号が誤った位置にロックしてしまい、データを正しく受信できない状況が生じていた。
キオクシアとNEDOは、受信信号からクロック信号のロック位置を検出する際、コンパレーターをNRZ(非ゼロ復帰方式)モードで動作させることで、誤ロックを回避できることを発見した。
これを基に、コンパレーターをまずNRZモードで動作させて、クロック信号を正しい位置でロックさせた後にPAM4モードへ変更することで、PAM4信号を正しく受信できるようになった。
56GbpsのPAM4信号を送受信できるトランシーバーを試作し、性能評価を実施したところ、56Gbpsでの動作と誤ロック回避技術の有効性を確認できた。
キオクシアは今後、NEDOの事業として研究開発を進めているメモリディジーチェーン技術にこの成果を用いて、消費電力40W以下、容量5TB以上、帯域64Gbps以上のメモリモジュール開発を目指す。
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