2022年度グッドデザイン賞決定、大賞候補はホンダ「UNI-ONE」や新型「Xbox」他:デザインの力(2/2 ページ)
日本デザイン振興会は「2022年度グッドデザイン賞」受賞記者発表会を開催した。今回は、1560件がグッドデザイン賞を受賞。併せて、高い評価を受けた100件のプロダクトやサービスなどに贈られる「グッドデザイン・ベスト100」が決定した他、さらにその中から「グッドデザイン金賞」「グッドフォーカス賞」が選ばれた。
最終プレゼンテーション審査に臨むファイナリスト(5件)
そして、このうち2022年度グッドデザイン大賞候補として選出され、同年11月1日の最終プレゼンテーション審査に臨むのは、
- 日立グローバルライフソリューションズのコードレススティッククリーナー「PV-BH900SK」
- 日本マイクロソフトの据え置き型ゲーム機「Xbox Adaptive Controller/Xbox Series X|S」
- ホンダのハンズフリーパーソナルモビリティ「UNI-ONE」
- 日本放送協会の選挙啓発キャンペーン「最高裁判所 裁判官の国民審査 特集サイト」
- アトリエe.f.t./オフィスキャンプ/無限の「まほうのだがしやチロル堂」
の5件だ。
2022年度グッドデザイン賞の総評として、2022年度グッドデザイン賞 審査委員長を務めた安次富隆氏は「日常化しているコロナ禍のわれわれの暮らしや生活をより良くする、社会に役立てようとするデザインが多かったように感じる。また、前回同様に中小規模の組織/団体によるデザインが非常に増えてきている中で、今回のファイナリストを見てお分かりの通り、大企業からも優れたデザインが出てきている。そして、特に印象的だったのは“隔たり”をなくすデザインが多かったことだ。デザインの力で壁や枠、溝をなくして世の中の見通しを良くしていくことは、今回の審査テーマにもつながる部分であり、そういったものを強く意識させられた審査だった」と述べる。
グッドフォーカス賞(12件)
また、併せて発表されたグッドフォーカス賞は、新たなビジネスモデルや新産業の創出、イノベーションの促進に寄与する優れたデザインを選出する「グッドフォーカス賞[新ビジネスデザイン]」(3件)、国内中小企業の高度な技術や技能によって実現された、特に優れたデザインの製品を選出する「グッドフォーカス賞[技術・伝承デザイン]」(3件)、地域社会の持続的発展や経済の活性化に特に寄与するデザインを選出する「グッドフォーカス賞[地域社会デザイン]」(3件)、自然災害への防備または自然災害による被害からの復興に寄与するデザインを選出する「グッドフォーカス賞[防災・復興デザイン]」(3件)の4つのカテゴリーから合計12件が選ばれた。選出された企業/デザインは以下の通り。
- グッドフォーカス賞[新ビジネスデザイン]:ブラザー工業のインクジェット複合機「DCP-C421W」、ミライロのデジタル障害者手帳「ミライロID」、コワードローブ/博報堂ケトルの身体の不自由な人への服のお直しサービス「キヤスク」
- グッドフォーカス賞[技術・伝承デザイン]:冨士経編のシニア向け/在宅介護向けルームウェア「keamu」、千葉印刷の「さかなかるた」、トミタの「トミタ式安全おろし金」
- グッドフォーカス賞[地域社会デザイン]:丸よ小泉商店の急須「chanoma kyusu series」、小田急バス/ブルースタジオの賃貸集合住宅「hocco」、BEPPU PROJECTの地域再生のための活動「BEPPU PROJECT」
- グッドフォーカス賞[防災・復興デザイン]:ピジョンの「災害用授乳カップ」、日産自動車/浪江町役場のシステム支援型モビリティサービス「なみえスマートモビリティ」、国土交通省 近畿地方整備局 淀川河川事務所の「景観や自然環境に配慮した塔の島河川整備事業」
リアルとオンラインのハイブリッドでグッドデザインを訴求
日本デザイン振興会は2022年10月7日〜11月6日まで、今回選ばれたグッドデザイン・ベスト100を紹介する展示会「GOOD DESIGN EXHIBITION 2022」(会場:東京ミッドタウン・デザインハブ)を開催。“Change for Good.”を展示コンセプトに掲げ、最新のグッドデザイン受賞作品を展示するとともに、展示会場における廃棄物の抑制なども意識した展示構成になっているという。また、同年10月14日〜11月3日まで、最新の受賞作品を購入できる期間限定のポップアップストア「GOOD DESIGN TOKYO by NOHARA」を東京ミッドタウン・ガレリアにオープンする。
その他、「2022年度グッドデザイン賞 審査報告会」や「地域社会とデザイン」、「ロングライフデザイン賞」をテーマとするオンラインプログラムなどを開催する予定だという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 2021年度グッドデザイン大賞、オリィ研究所の「分身ロボットカフェ」に決定
日本デザイン振興会は「2021年度グッドデザイン賞大賞」記者発表会を開催し、最終プレゼンテーション審査に臨んだグッドデザイン大賞候補5件の中から「2021年度グッドデザイン大賞」(1件)を発表した。 - 2021年度グッドデザイン賞は過去最多、分身ロボ「OriHime」や3D都市「PLATEAU」などが大賞候補に
日本デザイン振興会は「2021年度グッドデザイン賞」受賞記者発表会をオンラインで開催した。今回は、過去最多となる1608件がグッドデザイン賞を受賞。併せて、高い評価を受けた100件のプロダクトやサービスなどに贈られる「グッドデザイン・ベスト100」が決定した他、さらにその中から「グッドデザイン金賞」「グッドフォーカス賞」が選ばれた。 - 3Dプリンタで製作するオフィス家具デザインのプロジェクトを発表
オカムラは、慶應義塾大学SFC研究所ソーシャル・ファブリケーション・ラボと共同で、3Dプリンタで製作するバイオマスプラスチック素材のオフィス家具デザイン「Up-Ring」プロジェクトで、チェアやテーブルのデザインを開発した。 - アイティメディアの受付エリアをiPhoneでサクッと3Dデジタルツイン化してみた
2022年4月に日本法人を設立したMatterport(マーターポート)。同社が提供するスマホ向けの空間3Dキャプチャーアプリ「Matterport Capture」と、間もなく国内での販売が開始されるモーター駆動式自動回転雲台「Matterport Axis」を用いて、アイティメディアの受付エリアの空間3Dキャプチャーを行ってみた。 - 威圧しない、威厳がある――セコムの新型警備ロボット「cocobo」のデザイン思想
セコムは、新開発のセキュリティロボット「cocobo」を発表した。各種センサーやカメラなどを搭載した自律型警備ロボットで、AI、5Gといった先端技術を活用した巡回警備や点検業務が行える。「公共空間との調和」「威厳と親しみやすさ」を開発コンセプトに掲げ、znug designの根津孝太氏、ロフトワークとともにデザインした。 - 2020年度グッドデザイン大賞は「世界初」の持ち運べる水再生処理プラント
日本デザイン振興会は、「2020年度グッドデザイン大賞」および「2020年度グッドデザイン特別賞各賞」を発表した。グッドデザイン大賞には、WOTAの自律分散型水循環システム「WOTA BOX」が選ばれた。