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境界条件非線形性をもたらす接触と追従荷重について理解するいまさら聞けない 非線形構造解析入門(5)(4/4 ページ)

多くの3D CADではオプションとしてCAE機能が用意されているが、多くの方が「線形解析」での利用にとどまっており、「非線形解析」にまで踏み出せていない現状がある。本連載では、構造解析でも特に非線形解析にフォーカスし、初心者向けに分かりやすくその特長や活用メリットなどを紹介する。連載第5回では、3つの非線形性のうちの最後の1つ「境界条件非線形性」について取り上げる。

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「Marc」を用いての結果も確認

 次に、非線形構造解析ソフトウェア「Marc」での結果を見てみます。

 反力プロットが顕著ですが、当たり前ですが同じものに同じ条件を与えているので、同じ傾向の結果になっていることが分かります。

Marcで行った解析:追従荷重がない場合。外力のベクトルプロットを見ると変形状態にかかわらず、矢印が真下(マイナスY方向)に向いている
図8 Marcで行った解析:追従荷重がない場合。外力のベクトルプロットを見ると変形状態にかかわらず、矢印が真下(マイナスY方向)に向いている[クリックで拡大]
拘束部の反力のプロット。X方向の反力がほぼ0で推移していることが分かる
図9 拘束部の反力のプロット。X方向の反力がほぼ0で推移していることが分かる[クリックで拡大]
Marcで行った解析:追従荷重がある場合。外力のベクトルプロットを見ると、変形にあわせて荷重の向きの矢印が引き続き面に鉛直方向になっている
図10 Marcで行った解析:追従荷重がある場合。外力のベクトルプロットを見ると、変形にあわせて荷重の向きの矢印が引き続き面に鉛直方向になっている[クリックで拡大]
拘束部の反力のプロット。X方向の反力が増えてきていることが分かる
図11 拘束部の反力のプロット。X方向の反力が増えてきていることが分かる[クリックで拡大]

 以上、SOLIDWORKS SimulationとMarc(シンプルに2Dで実施)でやってみましたが、当たり前ですが同じような結果になります。いかがでしたでしょうか?

 次回は、非線形問題を解くための「増分解法」について取り上げる予定です。お楽しみに! (次回へ続く

⇒ 連載バックナンバーはこちら

Profile

水野 操(みずの みさお)

1967年生まれ。mfabrica合同会社 社長。ニコラデザイン・アンド・テクノロジー代表取締役。3D-GAN理事。外資系大手PLMベンダーやコンサルティングファームにて3次元CADやCAE、エンタープライズPDMの導入に携わった他、プロダクトマーケティングやビジネスデベロップメントに従事。2004年11月にニコラデザイン・アンド・テクノロジーを起業し、オリジナルブランドの製品を展開。2016年に新たにmfabrica合同会社を設立し、3D CADやCAE、3Dプリンタ関連事業、製品開発、新規事業支援のサービスを積極的に推進している。著書に著書に『絵ときでわかる3次元CADの本』(日刊工業新聞社刊)などがある。


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