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トヨタ以外の7社が前年同月比でプラスも、コロナ禍前からは1割以上のマイナス自動車メーカー生産動向(3/3 ページ)

2022年7月の自動車生産は、回復の兆しが見える結果となった。半導体をはじめとした部品の供給不足による影響は依然として続いているものの、ロックダウンが解除された中国が回復したことで、国内生産などへの部品供給も改善傾向が見られた。

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マツダ

 回復基調を示しているのがマツダだ。7月のグローバル生産台数は、前年同月比23.9%増の9万9803台と2カ月連続で増加した。増加幅も6月より18.5ポイント伸びた。ただ、前年7月の実績が低迷していた反動増という側面も強く、コロナ禍前の2019年7月との比較では2割減にとどまっている。主力の国内生産は同25.6%増の7万25台と2カ月連続のプラス。なお、前年7月の国内生産台数は、開示している1979年以降で最少だった。車種別では「CX-5」が同12.9%増、「マツダ3」は同44.2%増、2021年10月より防府工場でも生産を開始した「CX-30」は同85.4%増と大きな伸びを見せた。

 海外生産も、前年同月比20.2%増の2万9778台と2カ月連続のプラスだった。メキシコは、半導体不足による3日間の稼働停止を実施したものの、前年がモデル切り替え前で低迷していた「マツダ2」の増加などにより、同9.3%増だった。さらに1月から操業開始した米国工場で新型車「CX-50」を2758台生産したことで、北米トータルでは同31.3%増と伸長し、2カ月連続のプラスだった。タイも前年に半導体不足などで7日間の稼働停止が発生した反動もあり、同104.8%増と大幅なプラスとなった。

 一方、中国は需要に応じて生産調整を実施した他、設備工事により長安マツダで2日間、中国一汽で6日間の操業停止を実施。同20.4%減と5カ月連続で減少した。

三菱自動車

 三菱自動車も回復している。7月のグローバル生産台数は、前年同月比32.8%増の9万6362台と2カ月連続で増加した。8社の世界生産で最大の伸び幅だった。国内生産は「アウトランダーPHEV」の増加などにより、同57.7%増の4万3336台と3カ月連続のプラス。こちらも8社で最も高い伸びとなった。

 海外生産は、前年同月比17.6%増の5万3026台と2カ月連続のプラス。主要地域の東南アジアは、タイが「トライトン」の好調で同22.2%増、インドネシアは「エクスパンダ―」がけん引し同14.6%増となった。中国は市場回復が進むものの、同29.5%減と振るわず、中国で生産する5社で最も落ち込みが目立った。

スバル

 SUBARU(スバル)の7月のグローバル生産台数は、前年同月比13.1%増の7万8879台と3カ月ぶりに前年実績を上回った。国内生産は、半導体不足が改善傾向を示しており、同25.7%増の5万9718台と4カ月連続で増加した。

 唯一の海外拠点である米国生産は、生産制約などの影響により、前年同月比13.8%減の1万9161台と3カ月連続で減少した。8社の海外生産では唯一のマイナスだった。

→「自動車メーカー生産動向」のバックナンバーはこちら

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