トヨタ以外の7社が前年同月比でプラスも、コロナ禍前からは1割以上のマイナス:自動車メーカー生産動向(2/3 ページ)
2022年7月の自動車生産は、回復の兆しが見える結果となった。半導体をはじめとした部品の供給不足による影響は依然として続いているものの、ロックダウンが解除された中国が回復したことで、国内生産などへの部品供給も改善傾向が見られた。
ダイハツ工業
グループのダイハツもトヨタと傾向が似ている。7月のグローバル生産台数は、前年同月比19.4%増の13万1710台と2カ月連続で増加した。好調の要因は海外生産で、同117.7%増の6万1397台と倍増し、12カ月連続でプラスを確保した。インドネシアがトヨタ向け「アバンザ」の台数増などにより同53.6%増と大幅な伸びを見せた。さらにマレーシアはロックダウンの影響により前年7月の生産台数がゼロだったことも海外生産の倍増につながった。
一方、国内生産は、前年同月比14.4%減の7万313台と5カ月連続のマイナス。半導体など電子部品の供給難により、滋賀第2工場で計7日間の稼働停止を実施。これにより「タント」「ムーヴキャンバス」「ロッキー/ライズ(トヨタ向けOEM)」など主力車種の減産を余儀なくされた。
ホンダ
ホンダの7月のグローバル生産台数は、前年同月比5.9%増の34万3205台で2カ月連続のプラス。国内生産は、半導体不足や部品調達の影響により「N-BOX」や「ヴェゼル」などを生産する鈴鹿製作所で1割程度の減産を実施したこともあり、同2.7%減の6万1568台と3カ月ぶりのマイナスとなった。
海外生産は、前年同月比8.0%増の28万1637台と2カ月連続で増加した。ロックダウンが解消した中国は同72.0%増と大幅な伸びを見せ、2カ月連続のプラス。アジアトータルでも同57.0%増と2カ月連続の増加となった。ただ、北米は部品調達難の影響で同43.0%減と振るわず、14カ月連続のマイナスと厳しい状況が続いている。
スズキ
スズキの7月のグローバル生産は、前年同月比10.6%増の29万2039台と、2カ月ぶりにプラスへ転じた。海外生産は同7.5%増の21万2898台と、2カ月ぶりのプラスとなった。主要市場のインドは、半導体の搭載が少ない新興国向けの輸出モデルの生産などを増やしたことで、同8.2%増の18万4783台と2カ月ぶりに増加。これは単月のインド生産としては過去最高の台数となった。グローバル生産に占める割合でも6割を超えている。
国内生産は、前年同月比19.8%増の7万9141台と3カ月連続のプラス。前年7月が半導体不足により実績が低かった反動で大幅増となった。
日産自動車
日産の7月のグローバル生産は、前年同月比9.4%増の28万4755台と2カ月ぶりにプラスへ転じた。要因は国内生産で、「エクストレイル」の好調などにより、同39.1%増の5万2022台と大幅増が続いており、3カ月連続で前年実績を上回った。ただ、コロナ禍前の2019年7月との比較では3割減という実績にとどまっている。
海外生産は、前年同月比4.4%増の23万2733台と13カ月ぶりにプラスへ転じた。ロックダウンが解除された中国が同10.8%増と5カ月ぶりにプラスとなった他、米国が同56.9%増と6カ月連続で伸長したものの、メキシコが同39.5%減と振るわなかった。新型「キャシュカイ」が好調な英国は同76.9%増と大きな伸びを見せた。
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