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トヨタ以外の7社が前年同月比でプラスも、コロナ禍前からは1割以上のマイナス自動車メーカー生産動向(1/3 ページ)

2022年7月の自動車生産は、回復の兆しが見える結果となった。半導体をはじめとした部品の供給不足による影響は依然として続いているものの、ロックダウンが解除された中国が回復したことで、国内生産などへの部品供給も改善傾向が見られた。

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 2022年7月の自動車生産は、回復の兆しが見える結果となった。半導体をはじめとした部品の供給不足による影響は依然として続いているものの、ロックダウンが解除された中国が回復したことで、国内生産などへの部品供給も改善傾向が見られた。

 一方で、トヨタ自動車が当初予定を下方修正した計画値をさらに下回るなど、メーカーによる温度差も生じている。メーカー各社は9月以降に挽回生産を計画していたが、足元では下方修正する事態となっており、半導体など部品の確保に向けて予断を許さない状況はしばらく続きそうだ。

→「自動車メーカー生産動向」のバックナンバーはこちら

 日系乗用車メーカー8社が発表した2022年7月の世界生産台数は、前年同月比4.0%増の203万3300台と2カ月連続で前年実績を上回った。トヨタを除く7社がプラスだったが、コロナ禍前の2019年7月との比較では1割超のマイナスとなった。部品調達難が続く北米は同21.8%減と低迷したものの、ロックダウンが解除された中国が同23.3%増とけん引し、8社合計の海外生産も同8.6%増の137万5360台と3カ月連続で増加した。

 これに対し、国内生産は同4.5%減の65万7940台で、12カ月連続のマイナスと厳しい状況が続く。国内生産の3割以上を占めるトヨタが大幅に台数を減らしている影響が大きい。ダイハツ工業も2桁パーセント減と低迷しており、トヨタグループの落ち込みが目立った。

 グローバル生産の8社の順位では、インド生産が好調なスズキが日産自動車を上回り、トヨタ、ホンダに次ぐ3位につけた。

2022年7月の国内乗用車メーカーの生産実績
国内 海外 (うち北米) (うち中国) 合計
トヨタ 221,817 484,730 118,982 167,107 706,547
▲ 28.2 4.5 ▲ 18.5 4.7 ▲ 8.6
ホンダ 61,568 281,637 63,818 169,306 343,205
▲ 2.7 8.0 ▲ 43.0 72.0 5.9
スズキ 79,141 212,898 - - 292,039
19.8 7.5 - - 10.6
日産 52,022 232,733 57,890 107,703 284,755
39.1 4.4 ▲ 4.7 10.8 9.4
ダイハツ 70,313 61,397 - - 131,710
▲ 14.4 117.7 - - 19.4
マツダ 70,025 29,778 16,428 7,490 99,803
25.6 20.2 31.3 ▲ 20.4 23.9
三菱自 43,336 53,026 - 2,560 96,362
57.7 17.6 - ▲ 29.5 32.8
スバル 59,718 19,161 19,161 - 78,879
25.7 ▲ 13.8 ▲ 13.8 - 13.1
合計 657,940 1,375,360 276,279 454,166 2,033,300
▲ 4.5 8.6 ▲ 21.8 23.3 4.0
※上段は台数、下段は前年比増減率。単位:台、%
※北米は、米国、カナダ、メキシコの合計

トヨタ自動車

 メーカー別に見ると、トヨタの7月のグローバル生産台数は、前年同月比8.6%減の70万6547台と4カ月連続で前年実績を下回った。半導体不足など部品調達難の影響が大きく、7月のグローバル生産は当初計画比5万台減の80万台程度としていたが、それをさらに10万台下回る結果となった。

 中でも厳しいのが相次ぐ稼働停止を余儀なくされた国内生産だ。前年同月比28.2%減の22万1817台と5カ月連続のマイナス。なお、国内工場の稼働停止は断続的に続いており、その結果、国内販売ではモデルサイクルなどの関係から受注を停止する車種も多く、納期の長期化による国内事業への影響が深刻化している。

 海外生産は、前年同月比4.5%増の48万4730台と3カ月連続のプラスで、7月として過去最高を更新した。地域別では、中国はロックダウンの解除により影響が緩和した他、生産車種の最適化などにより生産能力が向上したこともあり、同4.7%増と3カ月連続で増加。タイやインドネシア、マレーシア、インド、ベトナムなども前年の感染拡大の反動で伸長した結果、アジアトータルでも同15.1%増となった。その一方で、北米は、部品供給の逼迫(ひっぱく)により同18.5%減と4カ月連続で減少した。

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