ロボットが先回りして次作業を指示、人との協働でピッキング作業を大幅効率化:第1回 ロボデックス 秋
ラピュタロボティクスは、「第1回 ロボデックス 秋」において、ピッキングアシストロボット「ラピュタPA-AMR」を用いたデモンストレーションを披露した。
ラピュタロボティクスは、「第1回 ロボデックス 秋」(2022年8月31日〜9月2日、幕張メッセ)において、自律走行型のピッキングアシストロボット「ラピュタPA-AMR」を用いたデモンストレーションを披露した。
複数台連携で作業最適化、人の歩行距離も削減
ラピュタPA-AMRは倉庫現場で人が行うピッキング作業をサポートし、ロボットと人が協働することで生産性を向上させるロボットソリューションだ。クラウドのプラットフォーム「rapyuta.io」と群制御AIにより、複数台のロボットが最適なルートで連携して荷物の搬送を行う。
床面へのマーキングなどは必要なく、既存の倉庫レイアウトにそのまま導入できる。ロボットはピッキングのオーダーが入ると、事前に読み込んだ図面と前方に搭載された3Dカメラの映像を基に、空間的に情報を認識して目的地に向かう。ロボットの前後にはLiDAR(light detection and ranging、ライダー)が付いており、障害物などは避ける。
目的地では、ピッキング作業者に対して何の商品をどこから取るべきかを画面に表示する。指示された商品をピッキング作業者がロボットに付いた箱に入れると、ピッキング作業者が次にどこへ行くべきを画面で指示する。ピッキング作業者が目的地に着くと、既に別のロボットが待機していて、次の商品のピッキングを指示するという複数台連携が可能になっている。全てのピッキングが終わると、ロボットは自動で出荷場所まで向かうため、ピッキング作業者の歩行距離を低減することができる。
長距離の搬送はロボットが担当、人はピッキングに専念
「実際の倉庫現場では、ピッキングエリアから出荷場所まで距離が遠いことがある。そういった長距離の移動をラピュタPA-AMRに担わせることで、ピッキング作業者はある程度決まったエリアの中で作業に集中することができる。それによって生産性を向上させる」(説明員)。
既に物流やEコマースの大手でも導入が進んでいる。初期投資額を抑えた月額定額制のRaaS(Robot as a Service)でも提供可能で、繁忙期などの需要の変動に応じて台数を変更することもできる。国内で委託生産しており、導入後のサポートも迅速に対応する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- アスクル物流拠点にスタートアップのAMR導入、ピッキングの生産性が1.8倍に
ラピュタロボティクスは、同社の自律走行型協働搬送ロボット「ラピュタPA-AMR」をアスクルの物流センター「ASKUL Value Center 日高」へ導入し、生産性が約1.8倍向上したと発表した。 - カオスな倉庫も独自技術で柔軟に走行、Rapyuta Roboticsの自律移動ロボット
「ロボット×DX×工場」をテーマに、さまざまな領域でのロボットを活用したDXの取り組みを紹介する本連載。第3回は、独自の群制御技術を搭載したクラウドロボティクスプラットフォームと、対応する自律移動ロボットを開発するRapyuta Roboticsを取り上げる。 - 物流の第4次産業革命「Logistics 4.0」とは何か
物流ビジネスへの注目が日増しに高まる中、新たなイノベーションによって、物流の第4次産業革命ともいえる「Logistics 4.0」が起きつつある。本連載では、Logistics 4.0の動向解説に加え、製造業などで生み出される新たな事業機会について紹介する。第1回は、Logistics 4.0までの物流におけるイノベーションの変遷を解説する。 - 物流へのIoT適用を考える
日本型モノづくりの象徴ともいうべき「トヨタ生産方式」。本連載では多くの製造業が取り入れるトヨタ生産方式の利点を生かしつつ、IoTを活用してモノづくりを強化するポイントについて解説していきます。第6回は、グローバル化の進展によって重要度を増している物流でIoTを活用する考え方について説明します。 - 協働ロボット、ロボットシステムに残された課題と未来
協働ロボットを現場で活用するのにどのような工夫が必要か――。ロボット技術の総合展示会「2017国際ロボット展」では、ロボットメーカーおよびユーザー企業によるパネルディスカッション「ロボットフォーラム2017」が実施され、協働ロボットの意義について語った。 - レイアウト変更容易なモノレール式搬送、より人の腕に近い動きの7軸協働ロボット
伊藤忠マシンテクノスでは、「第1回 ロボデックス 秋」(2022年8月31日〜9月2日、幕張メッセ)において、工場内搬送向けのモノレール式搬送システム「Montrac」や7軸を持つ協働ロボットなどを展示している。