ポケットサイズの超音波診断装置が国内累計出荷数1万台超え:医療機器ニュース
GEヘルスケア・ジャパンは、ポケットサイズの超音波診断装置「Vscan」シリーズが国内累計出荷数1万台を超えたことを発表した。また、超音波検査技術教育の遠隔支援機能を開発し、汎用超音波画像診断装置「Vscan Air」を通じて提供開始する。
GEヘルスケア・ジャパンは2022年6月22日、2010年から国内販売しているポケットサイズの超音波診断装置「Vscan」シリーズが、同月に国内累計出荷数1万台を超えたことを発表した。また、POCUS(患者のベッドサイドで実施する超音波検査)における超音波検査技術教育の遠隔支援機能を開発し、汎用超音波画像診断装置「Vscan Air」を通じて提供を開始する。
コロナ禍という非常事態の中、一堂に会して医療検査技術の訓練をすることは難しい。遠隔支援機能は、会場に集まることなく、超音波検査技術の訓練ができるように開発された。多忙な医療従事者が、会場へ移動しなくて良いというメリットもある。オンラインでリアルタイムに講師から指導を受けられるため、対面指導と同じような実技訓練ができる。
Vscanシリーズの国内累計出荷1万台目の導入先となったTOWN訪問診療所 理事長の木下幹雄氏によると、高齢者や病気治療中の人が、自宅で床ずれ、足のトラブルなど傷を抱えるケースが増加しているという。木下氏は「通院が困難な患者にとって、訪問医療で専門的な創傷治療を受けられるVscanシリーズは、日々の診療を支える重要なツール」と述べている。
訪問診療や在宅みとりの現場、迅速な医療対応が必要な災害時などでは、簡単に持ち運びできて、その場で高精度な検査ができる医療機器が求められてきた。同社は引き続き、患者が必要とする医療の提供をサポートし、新しい医療技術を習得する教育面でのサービス提供にも取り組んでいく。
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