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妊産婦のうつの予兆検知技術を開発する共同研究を開始:医療機器ニュース
島津製作所は、「妊娠うつ・産後うつの発症・重症化を防ぐための兆候を検知する技術」に関する共同研究を開始した。心電デバイスと心拍変動解析技術を組み合わせ、汎用アルゴリズムを開発する。
島津製作所は2022年6月14日、メロディ・インターナショナル(メロディ)、京都大学、熊本大学と共同で、「妊娠うつ・産後うつの発症・重症化を防ぐための兆候を検知する技術」に関する研究を開始した。妊産婦のうつの発症や重症化を防止するため、「自律神経のバランスが崩れる予兆の検知技術(汎用アルゴリズム)」を開発する。
汎用アルゴリズムは、島津製作所の心電デバイスとメロディの心拍変動解析技術を組み合わせて構築する。2023年末までに開発を進め、2024年度にメロディからのサービス提供開始を目指す。
島津製作所は、複数の生体信号を複合解析し、感性価値を創出するマルチデバイス生体計測システム「HuME(Human Metrics Explorer)」を2020年に開発。今回使用する心電デバイスは、同システムを構成する技術の1つだ。これまでにも研究機関や企業にHuMEの試用版を提供しているが、本研究に提供することで、感性計測からデジタルヘルス領域へと用途を広げる第一歩となる。
妊娠中や産後に発症するうつは深刻な社会問題となっており、島津製作所とメロディは2022年2月までに妊産婦、医療従事者、自治体などを対象にニーズ調査を実施してきた。この調査から、妊産婦が自治体や医療機関に相談するきっかけとなるデバイスのニーズが明らかになった。
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