サステナビリティを顧客拡大のカギに、シュナイダーエレクトリックが国内展開強化:製造マネジメントニュース
Schneider Electric(シュナイダーエレクトリック)は2022年6月29日、日本市場向けの戦略説明会を開催し、カーボンニュートラル化に向けた動きへの提案を入口とし、新規顧客拡大を進めていく方針を示した。
Schneider Electric(シュナイダーエレクトリック)は2022年6月29日、日本市場向けの戦略説明会を開催し、カーボンニュートラル化に向けた動きへの提案を入口とし、新規顧客拡大を進めていく方針を示した。
カーボンニュートラルを切り口に
シュナイダーエレクトリックは日本において、2021年9月にサステナビリティ事業部を設立し、企業の脱炭素化を支援する取り組みを強化している。サステナビリティ事業部では、シュナイダーエレクトリックがグローバルで展開するネルギー管理の専門企業としてさまざまなノウハウと、各種制御機器や電力関係設備、これらのデータ管理基盤などの展開を組み合わせ、企業がカーボンニュートラル化を進める中で必要な戦略策定に向けたコンサルティングや、CO2排出量の見える化、省エネ化の提案を進めている。
シュナイダーエレクトリックでは従来日本市場においては、UPSなどを中心としたセキュアパワー事業部と、旧デジタルなどで展開してきたHMI機器を含むオートメーション関連のインダストリー事業部などのビジネスを中心として展開してきたが、これらの事業で扱う製品群は、省エネルギー化に関係のある製品群である。そのため、サステナビリティ事業部で受けたカーボンニュートラル化の相談を入口として、これらの事業部のビジネスに展開する取り組みを進めていく。
シュナイダーエレクトリック 日本統括代表の白幡晶彦氏は「サステナビリティ事業部でカーボンニュートラル化に向けた統合的なコンサルティングなどを進めている中で、工場の省エネ化やデータセンターのエネルギー効率など、それぞれの事業に関連する部分が出てくる。その意味で売り上げだけを問うのではなく顧客のドアを開く役割を期待している」と述べている。
2021年9月の設立から約10カ月が経過しているがここまでの手応えについて、シュナイダーエレクトリック サステナビリティ事業部 シニアセールスマネージャーの加藤道久氏は「設立当初は既にグローバル契約をしている海外企業の日本拠点からの問い合わせが多かったが、2022年に入ってから日本企業からの問い合わせも急速に増えてきている。それもグローバル拠点での展開や、PPAの活用など、具体的な打ち手の問い合わせが増えてきた」と述べている。
また、これらの顧客やインストールベースに対し総合的にフォローを行う役割としてフィールドサービス事業部を位置付け、既存顧客に対するアップセルを狙う。白幡氏は「フィールドサービス事業は急成長させる。既に日本ではグローバル目標である全売上高の2割という構成費に近いが、デジタルサービスなどを通じて拡大を進めていく」と語っている。
関連記事
- 脱炭素向け事業を国内展開、シュナイダーエレクトリックが自社と顧客の知見生かし
ビルオートメーションやプロセスオートメーションなどのグローバル企業であるフランスのSchneider Electric(シュナイダーエレクトリック)は2021年11月4日、日本市場向けに脱炭素化に向けたサービス事業を開始することを発表した。脱炭素化に向けた包括的なコンサルティングを行うエナジーサステナビリティサービス事業部門を設立し、日本での展開を加速する。 - 新たにリニア搬送システムやSCADAを展開、シュナイダーエレクトリックが強化
シュナイダーエレクトリックは、スマート工場を中心としたソリューションを強化し、国内での展開を加速する。スマート工場化が進む中、従来のIoTゲートウェイに加え、新たにネットワーク機器の展開を開始する他、組み立て製造業向けのSCADA/HMIソフトウェアなどを投入する。さらに、市場が盛り上がりを見せるリニア搬送システムへの参入や、ソフトウェア中心の新たな制御システムの仕組みなどの提案も進める。 - シュナイダーエレクトリックが考える産業用IoTで成功するための2つの注意点
フランスのシュナイダーエレクトリックは独自のIoT基盤など産業用IoTへの取り組みを強化しているが、重点領域の1つとして産業用機械向けのIoTソリューションを展開。同社のマシンソリューション事業への取り組みとシュナイダーエレクトリックの産業用IoT分野における強みについて、シュナイダーエレクトリック インダストリービジネス マシンソリューションズのシニア・バイスプレジデントであるアリ・ハジ・フラジ氏に話を聞いた。 - 最先端スマート工場の秘訣は日本式にあり? カギはスモールスタートとリーン製造
世界経済フォーラムが2018年に発表した世界で最も先進的な工場の1つに選ばれた、シュナイダーエレクトリックのル・ヴォードライユ工場。世界最先端のスマート工場ではどのような取り組みが行われているのだろうか。同工場でのスマート工場化への取り組みを紹介する。 - シュナイダーが国内SIerと初のパートナー契約、「EcoStruxure」などの展開拡大
シュナイダーエレクトリックは2021年8月18日、製造業界向けDX、IoTソリューションの提案を強化するため、アドソル日進とSIパートナー契約を締結したと発表した。 - IoTブランドとして強化、スマート&グリーンを訴えるシュナイダーエレクトリック
シュナイダーエレクトリックは2021年4月19日、日本向けの2021年の事業方針発表会を開催。「スマート&デジタル」をキーワードに、さまざまな業種におけるデジタル化と電力活用の効率化を推進していく方針を示した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.